労働者派遣法・偽装請負とは?
労働者派遣法・偽装請負とは、労働者派遣事業の適正な運営や派遣労働者の保護を図る法律。派遣では派遣先が労働者に直接指揮命令できるが、請負・準委任契約では注文者が受託会社の労働者に直接指揮命令してはならない。これに違反し、契約形態は請負・準委任でありながら実態として発注者が直接指示を行う状態を「偽装請負」と呼ぶ。
応用情報技術者試験の過去問では5回出題されています(2020年度〜2024年度)。
ろうどうしゃはけんほう・ぎそううけおい
労働者派遣法・偽装請負の意味
労働者派遣事業の適正な運営や派遣労働者の保護を図る法律。派遣では派遣先が労働者に直接指揮命令できるが、請負・準委任契約では注文者が受託会社の労働者に直接指揮命令してはならない。これに違反し、契約形態は請負・準委任でありながら実態として発注者が直接指示を行う状態を「偽装請負」と呼ぶ。
労働者派遣法・偽装請負の具体例
システム保守を準委任契約で委託しているにもかかわらず、発注者が受託会社の作業者に日々の作業指示を直接出している場合、偽装請負として労働者派遣法違反に問われるおそれがある。
労働者派遣法・偽装請負は試験でどう引っ掛けられる?
準委任契約・請負契約であっても、指揮命令の実態が労働者派遣に近ければ偽装請負とみなされる、という「契約形態と実態の乖離」を問う設問が頻出。
労働者派遣法・偽装請負と関連する用語
労働者派遣法・偽装請負が出た過去問
A社はB社に対して業務システムの開発を委託し、A社とB社は請負契約を結んでいる。作業の実態から、偽装請負とされる事象はどれか。
正解:B社の従業員が、A社を作業場所として、A社の責任者の指揮命令に従って設計書を作成している。
要点:請負なのに委託側が受託側社員へ指揮命令すると偽装請負
請負契約では、受託側の従業員に対する指揮命令は受託側(B社)が行わなければならない。B社の従業員がA社の責任者から直接指揮命令を受けて作業していると、実態は労働者派遣であり、請負契約を装った偽装請負となる。作業場所が委託側であること自体は問題にならない。
出典:令和2年度 10月 応用情報技術者試験 午前 問80(IPA)発注者と受注者との間でソフトウェア開発における請負契約を締結した。ただし、発注者の事業所で作業を実施することになっている。この場合、指揮命令権と雇用契約に関して…
正解:指揮命令権は発注者になく、受注者に所属する作業者は、新たな雇用契約を発注者と結ぶことなく、発注者の事業所で作業を実施する。
要点:請負では指揮命令権は受注者にあり発注者は直接指示できない
請負契約では、受注者が仕事の完成に責任を負い、作業者への指揮命令は受注者が行います。作業場所が発注者の事業所であっても、この関係は変わらず、発注者が直接指示すれば偽装請負になります。作業者は受注者との雇用関係のままで、発注者と新たに雇用契約を結ぶ必要もありません。
出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問79(IPA)A社はB社に対して業務システムの設計、開発を委託し、A社とB社は請負契約を結んでいる。作業の実態から、偽装請負とされる事象はどれか。
正解:B社の従業員が、A社を作業場所として、A社の責任者の指揮命令に従って設計書を作成している。
要点:偽装請負の判断は指揮命令をどちらが行うかで決まる
請負契約では、受託者が自らの責任で業務を完成させ、作業者への指揮命令も受託者側が行う。委託元の責任者が受託者の従業員へ直接指示を出すと、契約は請負でも実態は労働者派遣にあたり、偽装請負となる。作業場所が委託元であること自体は問題ではなく、指揮命令の系統が誰にあるかが判断の分かれ目になる。
出典:令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問79(IPA)労働者派遣法において、派遣元事業主の講ずべき措置等として定められているものはどれか。
正解:労働者の教育訓練の機会の確保など、福祉の増進
要点:教育訓練や福祉の増進は派遣元、台帳や責任者は派遣先の義務
労働者派遣法は、派遣元事業主に対して、派遣労働者の教育訓練の機会の確保をはじめとする福祉の増進を図ることを求めている。一方、派遣先管理台帳の作成や派遣先責任者の選任、指揮命令者への派遣契約内容の周知は、いずれも派遣先が講ずべき措置である。
出典:令和5年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問79(IPA)大規模なシステム開発を受注したA社では、不足する開発要員を派遣事業者であるB社からの労働者派遣によって補うことにした。A社の行為のうち、労働者派遣法に照らして適…
正解:システム開発が長期間となることが予想されるので、開発要員の派遣期間を3年とする契約を結ぶ。
要点:派遣は期間上限3年、事前選考や性別指定は禁止される
労働者派遣法では、同一の派遣先の事業所における派遣可能期間は原則3年が上限とされている。したがって3年の契約を結ぶこと自体は法に反しない。一方、派遣先が事前に履歴書の提出を求めたり面接で選別したりする特定行為、性別や年齢を指定する差別的な要求、苦情処理を派遣元任せにすることは、いずれも禁止または不適切である。
出典:令和6年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問79(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。