命令パイプラインとは?
命令パイプラインとは、1つの命令の実行を「命令フェッチ・デコード・実行・メモリアクセス・書戻し」などの段(ステージ)に分割し、各段を別々の命令が同時に流れるようにして単位時間あたりの命令処理数を上げる方式。理想的には1ピッチごとに1命令が完了する。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験の過去問では5回出題されています(2017年度〜2025年度)。
めいれいぱいぷらいん
命令パイプラインの意味
1つの命令の実行を「命令フェッチ・デコード・実行・メモリアクセス・書戻し」などの段(ステージ)に分割し、各段を別々の命令が同時に流れるようにして単位時間あたりの命令処理数を上げる方式。理想的には1ピッチごとに1命令が完了する。
命令パイプラインの具体例
D段のパイプラインでI個の命令を実行する所要時間は、最初の命令が全段を通る分と残りが順次完了する分を合わせて(I+D-1)×1段あたりの時間で見積もる。
命令パイプラインは試験でどう引っ掛けられる?
個々の命令のレイテンシ(1命令が終わるまでの時間)は短くならない。速くなるのはスループット。
命令パイプラインと関連する用語
命令パイプラインが出た過去問
スーパスカラの説明として、適切なものはどれか。
正解:複数のパイプラインを用い、同時に複数の命令を実行可能にすることによって、高速化を図る方式である。
要点:スーパスカラは複数パイプラインで同時に複数命令を実行
スーパスカラは、演算器やパイプラインを複数系統持たせ、依存関係のない命令を同じサイクルに複数投入して並列に実行させる方式である。1サイクルあたりの命令実行数を1より大きくできる点が本質で、命令の並べ替えや依存解析はハードウェアが動的に行う。命令語を長くして並列度をコンパイラに委ねるVLIWとは対照的である。
出典:平成29年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 am2 問1(IPA)パイプラインハザード対策に関する記述のうち、アウトオブオーダ実行方式を用いたものはどれか。
正解:演算に必要なデータがそろうまで実行が待たされている命令によって、後続の命令の実行が待たされることを防ぐために、既にデータがそろっている後続の命令があれば、それを先に実行する。
要点:アウトオブオーダ実行は準備できた命令から順に実行する
アウトオブオーダ実行は、命令をプログラム順に縛られず、オペランドがそろって実行可能になった命令から順に演算器へ投入する方式である。これにより、データ待ちで止まっている命令の後ろに並ぶ、実行可能な命令までもが待たされる事態を避けられる。結果は最終的に元の順序に戻して確定させるため、プログラムの意味は変わらない。
出典:令和3年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 am2 問1(IPA)パイプラインの深さをD、パイプラインピッチをP秒とすると、I個の命令をパイプラインで実行するのに要する時間を表す式はどれか。ここで、パイプラインは1本だけとし、…
正解:(I+D-1)×P
要点:パイプラインの所要時間は(I+D-1)×ピッチ
パイプラインでは、最初の命令が全Dステージを通過し終えるまでにDピッチかかり、その後は1ピッチごとに1命令ずつ完了する。残るI-1命令はI-1ピッチで流れ出るので、総所要時間は(D+I-1)ピッチ、すなわち(I+D-1)×P秒となる。
出典:令和5年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 am2 問3(IPA)パイプラインの深さをD、パイプラインピッチをP秒とすると、I個の命令をパイプラインで実行するのに要する時間を表す式はどれか。ここで、パイプラインは1本だけとし、…
正解:(I+D-1)×P
要点:パイプラインの所要時間は(I+D-1)×ピッチ
パイプラインでは、先頭の命令が全Dステージを通り抜けるのにDピッチかかり、以降は1ピッチごとに1命令ずつ完了していく。残るI-1個の命令はI-1ピッチで流れ出るので、合計は(D+I-1)ピッチ、すなわち(I+D-1)×P秒となる。
出典:令和7年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 am2 問1(IPA)パイプラインの性能を向上させるための技法の一つで、分岐条件の結果が決定する前に、分岐先を予測して命令を実行するものはどれか。
正解:投機実行
要点:投機実行は分岐結果の確定前に予測先を先行実行する
投機実行は、分岐条件の判定が確定する前に分岐先を予測し、その先の命令を先行して実行してしまう技法である。予測が当たればパイプラインを止めずに済み、外れた場合は先行実行の結果を破棄してやり直す。分岐によるパイプラインの乱れ(制御ハザード)を軽減する代表的な手法である。
出典:令和7年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 am2 問2(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。