一方向性(原像計算困難性)とは?
一方向性(原像計算困難性)とは、ハッシュ値から元のデータを逆算するのが事実上できない、というハッシュ関数の性質。この性質があるため、パスワードを平文で持たずハッシュ値だけを保存する運用が成り立つ。衝突しにくさと並ぶ、ハッシュ関数の基本要件として問われる。
情報セキュリティマネジメント試験の過去問では2回出題されています(2017年度〜2022年度)。
いちほうこうせい
一方向性(原像計算困難性)の意味
ハッシュ値から元のデータを逆算するのが事実上できない、というハッシュ関数の性質。この性質があるため、パスワードを平文で持たずハッシュ値だけを保存する運用が成り立つ。衝突しにくさと並ぶ、ハッシュ関数の基本要件として問われる。
一方向性(原像計算困難性)の具体例
社内システムの利用者パスワードを、管理者ですら見られない形で保存したい。データベースにはパスワードそのものではなくハッシュ値を保存し、ログイン時は入力値のハッシュと突き合わせる。漏えいしても元のパスワードは直ちには分からない。
一方向性(原像計算困難性)は試験でどう引っ掛けられる?
一方向性があってもパスワードが安全とは限らない。よく使われるパスワードは事前計算した表と照合されるため、ソルトやストレッチングを併用しないと意味が薄い。「ハッシュにしたから漏えいしても安全」という言い切りは誤り。
一方向性(原像計算困難性)と関連する用語
一方向性(原像計算困難性)が出た過去問
ディジタル署名などに用いるハッシュ関数の特徴はどれか。
正解:メッセージダイジェストからメッセージを復元することは困難である。
要点:ハッシュは固定長・一方向・衝突困難という性質をもつ
ハッシュ関数は任意長のデータから固定長のメッセージダイジェストを生成する一方向性の関数で、ダイジェストから元のメッセージを復元することは計算量的に困難である。加えて、同じダイジェストになる別のメッセージを見つけにくい衝突困難性も求められ、この性質がディジタル署名の改ざん検知を支えている。
出典:平成29年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問20(IPA)デジタルフォレンジックスでハッシュ値を利用する目的として、適切なものはどれか。
正解:証拠となり得るデータについて、原本と複製の同一性を証明する。
要点:ハッシュ値の一致で証拠の同一性・完全性を示す
デジタルフォレンジックスでは証拠を解析する際、原本を壊さないよう複製を取って作業する。このとき原本と複製それぞれのハッシュ値が一致することを示せば、複製が原本と同一であり改変されていないことを客観的に証明できる。ハッシュは一方向性と衝突困難性をもつため、証拠の完全性を担保する手段として使われる。
出典:令和4年度 s 情報セキュリティマネジメント試験 kamokuAB 問10(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。