十分かつ適切な監査証拠とは?
十分かつ適切な監査証拠とは、「十分」は証拠の量、「適切」は証拠の質を指し、質は監査要点への適合性(関連性)と証明力(信頼性)で評価される。監査人はこの両面を満たす証拠を集めて初めて合理的な結論を導ける。
システム監査技術者試験の過去問では7回出題されています(2017年度〜2023年度)。
じゅうぶんかつてきせつなかんさしょうこ
十分かつ適切な監査証拠の意味
「十分」は証拠の量、「適切」は証拠の質を指し、質は監査要点への適合性(関連性)と証明力(信頼性)で評価される。監査人はこの両面を満たす証拠を集めて初めて合理的な結論を導ける。
十分かつ適切な監査証拠の具体例
承認統制の有効性について、規程(整備状況の証拠)だけでなく実際の承認証跡を一定件数(運用状況の証拠)確かめることで、量と質の双方を満たす。
十分かつ適切な監査証拠は試験でどう引っ掛けられる?
件数を増やせば「適切」になるわけではない。監査要点に合わない証拠をいくら集めても質は満たされない。
十分かつ適切な監査証拠と関連する用語
十分かつ適切な監査証拠が出た過去問
システム監査における監査証拠の説明のうち,適切なものはどれか。
正解:監査人が収集又は作成する資料であり,監査報告書に記載する監査意見や指摘事項は,その資料によって裏付けられていなければならない。
要点:監査証拠は監査意見と指摘事項を裏付ける収集・作成した資料
監査証拠は、監査意見や指摘事項の裏付けとなる事実の集まりであり、被監査部門から入手した資料に限らず監査人自身が作成した記録も含まれる。監査報告書に記載する結論は、十分かつ適切な監査証拠に支えられていなければならない。監査証拠は監査調書として一定期間保存され、報告後すぐに処分するものではない。
出典:平成29年度 春期 システム監査技術者試験 am2 問2(IPA)情報セキュリティ監査基準(Ver1.0)に基づく保証型監査の意見表明において,監査人が必要と認めた監査手続が制約され,保証意見の合理的な根拠を得ることができなか…
正解:意見を表明しない。
要点:監査範囲の制約で合理的根拠を得られなければ意見を表明しない
保証型監査では、監査人は十分かつ適切な監査証拠に基づいてのみ意見を述べられる。監査範囲に制約があり合理的な根拠を得られなかった場合、その影響が広範であれば意見表明そのものを差し控える。限定付意見は制約の影響が限定的なときの対応であり、根拠が得られない状態で肯定・否定の意見を述べることはできない。
出典:平成29年度 春期 システム監査技術者試験 am2 問8(IPA)システム監査チームが監査結果の評価を行ったとき,一部の項目について,調査不足から監査人の意見が分かれた。この場合の監査チームの対応として,適切なものはどれか。
正解:意見の統一を図るために追加の監査手続を実施する。
要点:証拠不足で意見が分かれたら追加手続で証拠を補い統一する
監査意見は十分かつ適切な監査証拠に裏付けられていなければならない。調査不足が原因で意見が分かれているのであれば、不足している証拠を補うために追加の監査手続を実施し、事実に基づいて意見を一つに収れんさせるのが正しい対応である。多数決や意見の併記は、証拠不足という原因を解消しないまま結論を出すことになり適切でない。
出典:平成30年度 春期 システム監査技術者試験 am2 問3(IPA)システム監査基準(平成30年)における予備調査に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解:監査対象業務の実態を把握するために行う調査である。
要点:予備調査は対象業務の実態把握が目的で、証拠入手は本調査の役割
予備調査は本調査に先立ち、監査対象の業務内容、システム構成、関連規程、過去の指摘状況などを把握して、監査の着眼点や具体的な監査手続を設計するために行う。ここで得た理解をもとにリスクを見極め、本調査で証拠を集める。十分かつ適切な監査証拠を入手するのは本調査の役割であり、両者は順序をもった別の段階である。
出典:令和2年度 10月 システム監査技術者試験 am2 問6(IPA)システム監査基準(平成30年)における“十分かつ適切な監査証拠”を説明したものはどれか。
正解:証拠としての量的十分性を備え、確かめるべき事項に適合し、かつ証明力を備えた証拠
要点:十分かつ適切な監査証拠とは量的十分性・適合性・証明力を備えた証拠
監査証拠には量と質の両面が求められる。十分性とは結論を支えるに足る量が集まっていること、適切性とは確かめようとしている事項に的確に対応し(適合性)、かつその事項を裏づける力を備えている(証明力)ことを意味する。したがって量的十分性、適合性、証明力の三つを備えた証拠が「十分かつ適切な監査証拠」となる。
出典:令和3年度 秋期 システム監査技術者試験 am2 問8(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。