余裕時間(フロート・スラック)とは?
余裕時間(フロート・スラック)とは、ある作業が、プロジェクト全体の完了日に影響を与えずに遅らせることができる時間の余裕のこと。プロジェクト全体の終了日を遅らせずに済む範囲の余裕を「トータルフロート」、直後の後続作業の開始を遅らせずに済む範囲の余裕を「フリーフロート」と呼び分ける。クリティカルパス上の作業はこの余裕がゼロであり、少しでも遅れるとプロジェクト全体の納期に影響する。余裕時間を把握することで、どの作業を優先的に管理・監視すべきかが分かる。
ITパスポートの過去問では6回出題されています(2010年度〜2024年度)。
よゆうじかん(ふろーと・すらっく)
余裕時間(フロート・スラック)の意味
ある作業が、プロジェクト全体の完了日に影響を与えずに遅らせることができる時間の余裕のこと。プロジェクト全体の終了日を遅らせずに済む範囲の余裕を「トータルフロート」、直後の後続作業の開始を遅らせずに済む範囲の余裕を「フリーフロート」と呼び分ける。クリティカルパス上の作業はこの余裕がゼロであり、少しでも遅れるとプロジェクト全体の納期に影響する。余裕時間を把握することで、どの作業を優先的に管理・監視すべきかが分かる。
余裕時間(フロート・スラック)の具体例
あるテスト作業が3日で終わる予定だが、後続作業の開始を遅らせずに5日まで延ばせるとしたら、フリーフロートは2日ということになる。
余裕時間(フロート・スラック)は試験でどう引っ掛けられる?
トータルフロートとフリーフロートを混同しやすい。トータルフロートを使い切っても後続作業には影響が出ることがあるが、フリーフロートを使い切っても直後の作業には影響しない、という違いを押さえておく必要がある。
余裕時間(フロート・スラック)と関連する用語
余裕時間(フロート・スラック)が出た過去問
図のアローダイアグラムで、AからGに至る全体の作業日数に影響を与えないことを条件に、C→Fの作業の遅れは最大何日間まで許容できるか。
正解:4
要点:作業の余裕日数=最遅完了−最早開始−所要日数
最早開始時刻を順に求めるとCは3日目、Fは経路A→B→D→Fが最も遅く13日目、Gは17日目となり、全体は17日である。GからさかのぼるとFの最遅完了時刻は17−4=13日目になる。C→Fは3日目に開始でき所要6日なので、13−3−6=4日の余裕がある。
出典:平成22年度 春期 ITパスポート試験 問35(IPA)〔マネジメント〕前作業が終了していないことが原因で、作業Hの開始が1日遅れるという状況が発生した。遅れた原因と考えられるものとして、適切なものはどれか。
正解:作業Cの終了が4日遅れた。
要点:余裕日数を超えた遅れだけが後続作業に波及する
Hの開始は前作業C・E・Gのうち最も遅い完了に左右される。当初の完了はCが9日目、Eが11日目、Gが12日目なので、Hは12日目に始まる。Cには3日の余裕があり、4日遅れて13日目になって初めてHの開始が1日遅れる。Fは経路上に2日の余裕があるため、1〜2日の遅れではHに影響しない。
出典:平成26年度 秋期 ITパスポート試験 問88(IPA)中問C(問93の続き):図1の工程1と工程2はPさんが担当することになった。工程1が予定日数どおりに完了した後,工程2の開始前に会社を休むことにした。工程2が予…
正解:2
要点:クリティカルパスでない作業には余裕日数がある
工程1と工程2を通る経路は1+4=5日で終わるが、同じ合流点Dに至る最長経路は工程4と工程5を通る2+5=7日である。この差の2日が余裕(フロート)にあたるため、開始を2日遅らせても全体の日程には影響しない。
出典:平成27年度 秋期 ITパスポート試験 問95(IPA)〔中問B・マネジメント〕Aさんは〔Zプロジェクトの状況〕の(5)が、開発スケジュールの遅延の原因になると考え、回避策を実施しないときの遅延の予測日数、及び回避策…
正解:35
要点:余裕日数のある作業の遅れは全体日程に影響しない
最短45日を守るには、クリティカルパス上の作業の遅れを防げばよい。準備の後、20日で進む経路には30日の経路との差である10日分の余裕があるため、そちらの作業が5日遅れても全体には影響しない。一方、30日の経路にある2つの作業と、合流後の作業が遅れると全体が延びるので、この3つに回避策を講じる必要がある。費用は15+15+5=35万円となる。
出典:平成27年度 春期 ITパスポート試験 問91(IPA)次の表に示す作業全体の最短の所要日数を増やすことなく作業Eの所要日数を増やしたい。最大何日増やすことができるか。
正解:2
要点:余裕日数=クリティカルパスの長さ-その作業経路の長さ
先行関係をたどると、Aは7日で独立、B→Eは4+1=5日、C→D→Eは2+1+1=4日となり、全体の最短所要日数はAの7日で決まる。Eの最早開始日はBの完了とDの完了のうち遅いほう、すなわち4日目である。全体を7日に保つならEは3日まで延ばせるので、現在の1日から2日増やせる。
出典:平成28年度 春期 ITパスポート試験 問52(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。