リスクの定性的分析(発生確率・影響度マトリクス)とは?
リスクの定性的分析(発生確率・影響度マトリクス)とは、特定した個々のリスクについて、発生確率と影響度をそれぞれ「高・中・低」などの尺度で相対的に評価し、優先的に対応すべきリスクを絞り込む分析。発生確率と影響度を軸にしたマトリクス(表)に位置づけて可視化することが多い。数値でシミュレーションする定量的分析よりも簡便に行える。
応用情報技術者試験の過去問では11回出題されています(2017年度〜2025年度)。
りすくのていせいてきぶんせき
リスクの定性的分析(発生確率・影響度マトリクス)の意味
特定した個々のリスクについて、発生確率と影響度をそれぞれ「高・中・低」などの尺度で相対的に評価し、優先的に対応すべきリスクを絞り込む分析。発生確率と影響度を軸にしたマトリクス(表)に位置づけて可視化することが多い。数値でシミュレーションする定量的分析よりも簡便に行える。
リスクの定性的分析(発生確率・影響度マトリクス)の具体例
プロジェクト開始時に想定リスクを一覧化し、それぞれの発生しやすさと影響の大きさを3段階評価のマトリクスに位置づけて、優先的に対応すべきリスクを絞り込む。
リスクの定性的分析(発生確率・影響度マトリクス)は試験でどう引っ掛けられる?
定量的分析と順序・役割を取り違えやすい。定性的分析は高・中・低の相対評価で対応すべきリスクを絞り込む段階、定量的分析は絞り込まれたものについて金額や確率分布でシミュレーション(モンテカルロ法、期待金額価値)する段階。全リスクに定量的分析を行うわけではない。
リスクの定性的分析(発生確率・影響度マトリクス)と関連する用語
リスクの定性的分析(発生確率・影響度マトリクス)が出た過去問
PMBOKガイド第6版によれば、リスクの定量的分析で実施することはどれか。
正解:プロジェクトの個別の特定した個別リスクと、プロジェクト目標全体における他の不確実性要因が複合した影響を数量的に分析する。
要点:定量的分析はリスクの複合影響を数値で評価する
リスクの定量的分析では、特定した個別リスクや他の不確実性要因がプロジェクト目標(コスト・スケジュールなど)へ与える影響を、数値として合成して評価する。モンテカルロシミュレーションや感度分析、期待金額価値分析などが代表的な技法である。発生確率と影響度で優先順位を付けるだけの定性的分析とは区別する。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問53(IPA)PMBOKガイド第6版によれば、リスクにはマイナスの影響を及ぼすリスク(脅威)とプラスの影響を及ぼすリスク(好機)がある。プラスの影響を及ぼすリスクに対する“強…
正解:好機の発生確率や影響度、又はその両者を増大させる。
要点:好機の強化は発生確率や影響度を増やす戦略
好機に対する戦略のうち「強化」は、発生確率や好影響の大きさを積極的に増やそうとする対応である。確率を100%にまで高めて確実に実現させるのは「活用」、第三者と分け合うのは「共有」、何もせず享受するのは「受容」であり、程度の違いで区別される。
出典:令和3年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問54(IPA)プロジェクトマネジメントにおいて、コンティンジェンシー計画を作成するプロセスはどれか。
正解:リスクへの対応
要点:コンティンジェンシー計画はリスク対応プロセスで作成する
コンティンジェンシー計画は、特定したリスクが実際に発生した場合に備えてあらかじめ用意しておく対応策であり、リスクへの対応(リスク対応の計画)のプロセスで作成される。リスクの特定はリスクを洗い出す段階、リスクの評価は発生確率と影響度から優先順位を付ける段階であり、具体的な対策を決めるのはその後の対応プロセスである。
出典:令和5年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問54(IPA)工場の生産能力を増強する方法として、新規システムを開発する案と既存システムを改修する案とを検討している。次の条件で、期待金額価値の高い案を採用するとき、採用すべ…
正解:既存システムの改修/期待金額価値46億円
要点:期待金額価値は確率で重み付けした収入から投資額を引いて比較する
期待金額価値は、各シナリオの収入に発生確率を掛けて合計し、投資額を引いて求める。新規開発は180×0.7+50×0.3=141億円の期待収入から投資100億円を引いて41億円。既存改修は120×0.7+40×0.3=96億円から投資50億円を引いて46億円となる。46億円のほうが高いので既存システムの改修を採用し、期待金額価値は46億円である。
出典:令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問54(IPA)サービスマネジメントのサービス可用性管理において、インシデント又は将来インシデントとなる可能性のある事象について、その発生経路及び発生原因を分析し、発生確率の算…
正解:故障の木解析(FTA)
要点:FTAは頂上事象から原因を木構造に展開し発生確率を算出する
故障の木解析(FTA)は、望ましくない事象を頂点に置き、その原因となる事象をANDゲート・ORゲートで結んで木構造に展開するトップダウンの解析手法である。各下位事象の発生確率を与えることで頂上事象の発生確率を定量的に算出でき、発生経路と原因の両方を明らかにできる。
出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問55(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。