母集団・抽出単位とは?
母集団・抽出単位とは、母集団は監査人が結論を出そうとする対象データの全体、抽出単位はそこから取り出す個々の項目。両者の定義が監査要点と合っていなければ、いくら正しく抽出しても結論は成り立たない。網羅性と適切性の確認が前提になる。
システム監査技術者試験の過去問では9回出題されています(2016年度〜2024年度)。
ぼしゅうだんちゅうしゅつたんい
母集団・抽出単位の意味
母集団は監査人が結論を出そうとする対象データの全体、抽出単位はそこから取り出す個々の項目。両者の定義が監査要点と合っていなければ、いくら正しく抽出しても結論は成り立たない。網羅性と適切性の確認が前提になる。
母集団・抽出単位の具体例
期中のアクセス権付与の妥当性を問う場合、母集団は期中に発生した付与申請の全件であり、期末時点の権限一覧ではない。監査人は申請システムの件数と台帳の件数を突合し、削除済みや却下分が母集団から漏れていないかを先に確かめる。
母集団・抽出単位は試験でどう引っ掛けられる?
入手しやすいデータをそのまま母集団としてしまう誤り。期末残高の一覧は期中に発生して消えた項目を含まないため、期中の統制を問う監査要点には対応しない。母集団の網羅性が崩れると、標本設計が正しくても結論は無効になる。
母集団・抽出単位と関連する用語
母集団・抽出単位が出た過去問
システム監査において実施される“試査”に該当するものはどれか。
正解:抽出した一定件数のトランザクションデータに監査手続を適用し,データ全件の正当性について判断する。
要点:試査は一部を抽出して手続を適用し母集団全体を推定する手法
試査とは、母集団の全件ではなく一部を抽出して監査手続を適用し、その結果から母集団全体の状況を推定する手法である。全件を調べる精査に比べて効率的だが、抽出方法の妥当性が結論の信頼性を左右する。したがって、一定件数を抽出して手続を適用し全件の正当性を判断する行為が試査に当たる。
出典:平成28年度 春期 システム監査技術者試験 am2 問2(IPA)システム監査で利用する統計的サンプリング法に関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解:サンプルの抽出に無作為抽出法を用い,サンプルの評価結果に基づいて母集団に関する結論を出す場合に,確率論の考え方を用いる。
要点:統計的サンプリングは無作為抽出と確率論に基づく母集団推定が要件
統計的サンプリングは、無作為抽出によって母集団の各要素が抽出される確率を既知にし、標本の評価結果から母集団の状態を確率論的に推定する方法である。抽出と評価の両方が確率論に基づくことが要件であり、監査人の経験的判断で標本を選ぶ場合は非統計的サンプリングになる。標本数の多寡は両者を分ける基準にはならない。
出典:平成28年度 春期 システム監査技術者試験 am2 問8(IPA)システム監査における,サンプリング(試査)に関する用語の説明のうち,適切なものはどれか。
正解:許容誤謬率とは,監査人が受け入れることができる所定の内部統制からの逸脱率であり,サンプルの件数を決めるときに用いられる。
要点:許容誤謬率は許容できる統制逸脱率でサンプル件数算定に使う
許容誤謬率は、内部統制が有効であると結論付けてよい範囲として監査人が許容できる逸脱の割合であり、必要な標本件数を算定する際の入力値になる。許容できる逸脱率を小さく設定するほど必要なサンプル数は増える。サンプリングリスクは標本が母集団を代表しないことに起因するリスクであり、固有リスクと統制リスクの積とは別物である。
出典:平成29年度 春期 システム監査技術者試験 am2 問1(IPA)システム監査で用いる統計的サンプリングに関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解:コントロールが有効であると判断するために必要なサンプル件数を事前に決めることができる。
要点:統計的サンプリングでは必要な標本件数を事前に算定できる
統計的サンプリングは確率論に基づくため、許容できる逸脱率や信頼度、予想逸脱率を設定すれば、必要な標本件数を事前に算出できる。ただし標本による推定である以上、母集団を全件調べた場合と同じ結果が常に得られるわけではなく、サンプリングリスクが残る。重要案件やエラー処理済データだけを選ぶ方法は無作為性を欠き、統計的サンプリングには当たらない。
出典:平成30年度 春期 システム監査技術者試験 am2 問2(IPA)システム監査において実施される"試査"に該当するものはどれか。
正解:抽出した一定件数のトランザクションデータに監査手続を適用し,データ全件の正当性について判断する。
要点:試査は母集団の一部を抽出して全体の正当性を推定する手法
試査は母集団の一部を抽出して監査手続を適用し、その結果から母集団全体の状況を推定する手法である。全件を調べる精査に比べ効率的だが、抽出の妥当性が結論の信頼性を左右する。よって、一定件数を抽出して手続を適用し全件の正当性を判断する行為が試査に該当する。
出典:平成30年度 春期 システム監査技術者試験 am2 問7(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。