要件定義とは?
要件定義とは、システム化計画をもとに、利用者側(発注者)が求める機能や性能を明確化し、開発すべきシステムの仕様として整理する工程。システム開発の最初期に行われ、この段階のずれが手戻りの大きな原因になる。企画、要件定義、システム開発、ソフトウェア実装、ハードウェア実装、保守という一連のシステム開発プロセスにおいて、要件定義プロセスでは利害関係者のニーズ・要望を整理し、システムに要求される機能や制約を明文化する。
基本情報技術者試験の過去問では5回出題されています(2016年度〜2019年度)。
ようけんていぎ
要件定義の意味
システム化計画をもとに、利用者側(発注者)が求める機能や性能を明確化し、開発すべきシステムの仕様として整理する工程。システム開発の最初期に行われ、この段階のずれが手戻りの大きな原因になる。企画、要件定義、システム開発、ソフトウェア実装、ハードウェア実装、保守という一連のシステム開発プロセスにおいて、要件定義プロセスでは利害関係者のニーズ・要望を整理し、システムに要求される機能や制約を明文化する。
要件定義の具体例
業務担当者へのヒアリングを重ね、「在庫が10個を切ったら自動的にアラートを出す」といった具体的な機能要件を文書としてまとめる。「受発注業務を自動化したい」という依頼であれば、必要な入出力データや処理内容に加え、応答時間・可用性といった非機能要件まで要件定義書に落とし込む。上流工程の段階で、システム稼働後に発生し得る個人情報漏えいなどのリスクを予防的に検討する「プライバシーバイデザイン」の考え方も重視される。
要件定義は試験でどう引っ掛けられる?
定めるのは利用者側が「何を求めるか」であって、どう実現するか(設計)ではない。業務要件・機能要件・非機能要件(性能、可用性、セキュリティなど)の区別が頻出で、非機能要件の定義漏れが後工程の手戻り原因になる。
要件定義と関連する用語
要件定義が出た過去問
開発期間10か月,開発工数200人月のプロジェクトを計画する。次の配分表を前提とすると,ピーク時の要員は何人か。ここで,各工程では開始から終了までの要員数は一定…
正解:22
要点:工程ごとに工数÷期間を求め、その最大値がピーク要員
各工程の要員数は、その工程の工数を期間で割って求める。工数200人月・期間10か月に配分率を掛けると、要件定義は32人月を2か月で16人、設計は66人月を3か月で22人、開発・テストは84人月を4か月で21人、システムテストは18人月を1か月で18人となる。最大は設計工程の22人である。
出典:平成28年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問54(IPA)二つのアクティビティが次の関係にあるとき、論理的な依存関係はどれか。“システム要件定義プロセス”が完了すれば、“システム方式設計プロセス”が開始できる。
正解:FS関係(Finish-to-Start)
要点:終わってから始められる関係はFS(終了→開始)
作業間の依存関係は、先行作業のどちら側の端点が後続作業のどちら側の端点を縛るかで四種類に分かれる。ここでは先行の要件定義が「終了」して初めて後続の方式設計が「開始」できるので、終了と開始を結ぶFS関係に当たる。最も一般的な依存関係であり、日程計画の基本形である。
出典:令和1年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問51(IPA)企画,要件定義,システム開発,ソフトウェア実装,ハードウェア実装,保守から成る一連のシステム開発プロセスにおいて,要件定義プロセスで実施すべきものはどれか。
正解:システムに関わり合いをもつ利害関係者の種類を識別し,利害関係者のニーズ,要望及び課せられる制約条件を識別する。
要点:要件定義は利害関係者のニーズと制約を識別する工程
要件定義プロセスでは、システムに関わりをもつ利害関係者を洗い出し、それぞれのニーズや要望、課される制約条件を識別して整理します。ここで「何が必要か」を明らかにし、実現方式の決定は後続の開発プロセスへ渡します。システム化の方針や実施計画を立てるのは企画プロセス、方式設計を行うのはシステム開発プロセスです。
出典:平成29年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問66(IPA)企画,要件定義,システム開発,ソフトウェア実装,ハードウェア実装,保守から成る一連のプロセスにおいて,要件定義プロセスで実施すべきものはどれか。
正解:システムに関わり合いをもつ利害関係者の種類を識別し,利害関係者のニーズ及び要望並びに課せられる制約条件を識別する。
要点:要件定義は利害関係者のニーズと制約条件を識別する
要件定義プロセスでは、システムに関わる利害関係者を漏れなく識別し、それぞれのニーズや要望、および法規制や既存環境などの制約条件を洗い出して、合意可能な要件としてまとめる。何を作るかを決める工程であり、どう作るかは後続の開発プロセスで扱う。
出典:平成30年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問65(IPA)SaaS(Software as a Service)を利用するときの企業のセキュリティ管理についての記述のうち,適切なものはどれか。
正解:システムの構築を行わずに済み,アプリケーションソフトウェア開発に必要なセキュリティ要件の定義やシステムログの保存容量の設計が不要である。
要点:SaaSでも利用者にアカウント管理と規程整備の責任が残る
SaaSでは完成したアプリケーションを利用するため、開発時のセキュリティ要件定義やログの保存容量設計といった構築工程の作業は事業者側に委ねられる。一方、利用者側の責任として残るのは、アカウントとアクセス権の管理、社内規程の整備、障害時の業務手順やデータのバックアップである。責任分界点を取り違えないことが要点になる。
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問41(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。