TOC(制約理論)とは?
TOC(制約理論)とは、工程全体の産出量は最も能力の低い工程(ボトルネック)で決まるという前提に立ち、制約の特定・徹底活用・他工程の同期・制約の能力向上・惰性の排除という手順で継続的に改善する理論。局所的な効率向上ではなくスループット全体の最大化を評価軸とする。
ITパスポートの過去問では5回出題されています(2013年度〜2025年度)。
せいやくりろん
TOC(制約理論)の意味
工程全体の産出量は最も能力の低い工程(ボトルネック)で決まるという前提に立ち、制約の特定・徹底活用・他工程の同期・制約の能力向上・惰性の排除という手順で継続的に改善する理論。局所的な効率向上ではなくスループット全体の最大化を評価軸とする。
TOC(制約理論)の具体例
開発工程で結合テスト環境の割当てが一日一チームに限られ、待ちが常態化していた。コーディング人員を増やしても納期は縮まないと判断し、環境の並列化とテストデータ準備の前倒しに投資したところ、リリース間隔が二週間から一週間へ短縮された。
TOC(制約理論)は試験でどう引っ掛けられる?
非ボトルネック工程の稼働率を上げても全体の産出は増えず、仕掛品在庫とリードタイムが悪化するだけである。「各工程の稼働率を均等に高めるのが最適」という選択肢は誤り。TOCが最大化するのは各工程の稼働率ではなくスループットであり、ボトルネックを解消すると制約は別の工程へ移るため改善は繰り返しになる。
TOC(制約理論)と関連する用語
TOC(制約理論)が出た過去問
ある部品の生産ラインは二つの工程A,Bの順で構成されており、各工程の機械台数、部品1個の生産に要する作業時間、不良率は表のとおりである。1日の稼働時間を10時間…
正解:171
要点:直列工程の生産能力は前工程の良品数がボトルネックになる
稼働時間10時間は600分。工程Aは1台で1個3分なので600÷3=200個を処理でき、不良率5%を除くと良品190個が工程Bへ送られる。工程Bは1個2分で600分あれば300個まで処理できるため能力に余裕があり、受け取った190個が制約となる。ここから不良率10%を除くと190×0.9=171個が最終的な良品数となる。
出典:平成25年度 春期 ITパスポート試験 問7(IPA)製品1個を製造するためには,A原料10kgとB原料5kgが必要である。1か月当たりの原料使用可能量が,A原料は60kg,B原料は40kgである場合,1か月当たり…
正解:6
要点:複数の制約があるときは最も厳しい条件が生産上限
A原料からは60÷10=6個、B原料からは40÷5=8個まで作れる。両方の原料が同時に必要なので、少ない方の6個が生産可能数の上限(ボトルネック)となる。制約条件が複数あるときは最も厳しい条件が答えになる。
出典:平成27年度 秋期 ITパスポート試験 問15(IPA)システムにおいて、ある一部分の処理速度が遅いことによって、システム全体の処理速度が低く抑えられているとき、原因となっている部分を何と呼ぶか。
正解:ボトルネック
要点:ボトルネックは全体の性能を制限している最も遅い箇所
システム全体の性能が、最も遅い部分の処理能力によって頭打ちになっている状態があり、その原因となっている箇所をボトルネックと呼ぶ。瓶の首が細いと中身の出る量が制限されることに由来する。性能改善では、まずボトルネックを特定して解消することが効果的である。
出典:平成29年度 秋期 ITパスポート試験 問86(IPA)一連のプロセスにおけるボトルネックの解消などによって,プロセス全体の最適化を図ることを目的とする考え方はどれか。
正解:TOC
要点:TOCはボトルネックに着目して工程全体を最適化する考え方
TOC(制約理論)は、工程全体の産出量を決めているのは最も能力の低い工程=制約(ボトルネック)であるとみなし、そこを見つけて強化・活用することで全体最適を図る考え方である。局所的な効率化よりも制約への集中を重視する点が特徴である。
出典:平成29年度 春期 ITパスポート試験 問6(IPA)プロセスマイニングに関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解:一連の業務で実際に遂行したシステムの操作ログなどを収集し、現行の業務プロセスの可視化、分析、モニタリングによって業務の課題を特定して改善を図る手法やツールである。
要点:プロセスマイニングはログから業務の実態を可視化する手法
プロセスマイニングは、業務システムに残る操作ログやイベントログを収集・分析して、実際に行われている業務の流れを可視化する手法である。想定していた手順と現実の差、手戻りやボトルネックを事実データから特定できるため、業務改善の出発点として使われる。「あるべき姿」ではなく「実態」を掘り起こす点が要点である。
出典:令和7年度 秋期 ITパスポート試験 問17(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。