TOC(制約理論)とは?
TOC(制約理論)とは、工程全体の産出量は最も能力の低い工程(ボトルネック)で決まるという前提に立ち、制約の特定・徹底活用・他工程の同期・制約の能力向上・惰性の排除という手順で継続的に改善する理論。局所的な効率向上ではなくスループット全体の最大化を評価軸とする。
応用情報技術者試験の過去問では6回出題されています(2019年度〜2024年度)。
せいやくりろん
TOC(制約理論)の意味
工程全体の産出量は最も能力の低い工程(ボトルネック)で決まるという前提に立ち、制約の特定・徹底活用・他工程の同期・制約の能力向上・惰性の排除という手順で継続的に改善する理論。局所的な効率向上ではなくスループット全体の最大化を評価軸とする。
TOC(制約理論)の具体例
開発工程で結合テスト環境の割当てが一日一チームに限られ、待ちが常態化していた。コーディング人員を増やしても納期は縮まないと判断し、環境の並列化とテストデータ準備の前倒しに投資したところ、リリース間隔が二週間から一週間へ短縮された。
TOC(制約理論)は試験でどう引っ掛けられる?
非ボトルネック工程の稼働率を上げても全体の産出は増えず、仕掛品在庫とリードタイムが悪化するだけである。「各工程の稼働率を均等に高めるのが最適」という選択肢は誤り。TOCが最大化するのは各工程の稼働率ではなくスループットであり、ボトルネックを解消すると制約は別の工程へ移るため改善は繰り返しになる。
TOC(制約理論)と関連する用語
TOC(制約理論)が出た過去問
キャパシティプランニングの目的の一つに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解:システムの現在の応答時間を調査し、長期的に監視することによって、将来を含めて応答時間を維持することである。
要点:キャパシティプランニングは将来にわたり性能を維持する計画活動
キャパシティプランニングは、将来の業務量の増加を予測し、必要な資源をあらかじめ計画して、性能水準を継続的に維持することを目的とします。現状の応答時間を測って長期的に監視し、将来にわたって維持するという記述がこれに当たります。目先のボトルネック除去やチューニングは、性能管理の別の活動です。
出典:令和1年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問14(IPA)1件のデータを処理する際に、読取りには40ミリ秒、CPU処理には30ミリ秒、書込みには50ミリ秒掛かるプログラムがある。このプログラムで、n件目の書込みと並行し…
正解:1,200
要点:パイプラインのスループットは最も遅い工程で決まる
読取り40、CPU処理30、書込み50ミリ秒の3工程を並行して流すパイプライン処理なので、全体のスループットは最も遅い工程(ボトルネック)で決まる。ここでは書込みの50ミリ秒が律速となり、1件あたり50ミリ秒間隔で処理が完了する。1分=60,000ミリ秒を50で割ると1,200件になる。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問15(IPA)密結合マルチプロセッサの性能が、1台当たりのプロセッサの性能とプロセッサ数の積に等しくならない要因として、最も適切なものはどれか。
正解:主記憶へのアクセスの競合
要点:密結合の台数効果を阻むのは共有主記憶へのアクセス競合
密結合マルチプロセッサは複数のプロセッサが主記憶を共有する構成なので、プロセッサ数を増やすほど同じ主記憶へのアクセス要求が衝突し、待ち時間が生じる。この競合がボトルネックとなるため、性能はプロセッサ数に比例せず頭打ちになる。
出典:令和3年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問15(IPA)あるクライアントサーバシステムにおいて、クライアントから要求された1件の検索を処理するために、サーバで平均100万命令が実行される。1件の検索につき、ネットワー…
正解:50
要点:システムの処理能力は最も遅い資源(ボトルネック)で決まる
サーバ側は100 MIPS=1億命令/秒を1件あたり100万命令で割り、毎秒100件を処理できる。ネットワーク側は1件あたり2×10^5バイト=1.6×10^6ビットで、転送速度8×10^7ビット/秒を割ると毎秒50件となる。全体のスループットは遅いほうで決まるため、答えは50件である。
出典:令和6年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問15(IPA)プログラムを構成するモジュールや関数の実行回数、実行時間など、性能改善のための分析に役立つ情報を収集するツールはどれか。
正解:プロファイラ
要点:実行回数と実行時間を測り性能の急所を探す道具がプロファイラ
プロファイラは、プログラムの実行中に関数やモジュールごとの実行回数・実行時間・呼出し関係などを計測し、性能上のボトルネックを特定するためのツールである。得られた情報をもとに最適化すべき箇所を絞り込む、性能改善の基本的な道具である。
出典:令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問19(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。