一般基準・実施基準・報告基準とは?
一般基準・実施基準・報告基準とは、監査基準を構成する三つの区分。監査人の資質や独立性など前提条件を扱うのが一般基準、計画から証拠入手までの実施手順を扱うのが実施基準、報告書の記載内容とフォローアップを扱うのが報告基準。どの要求事項がどの区分に属するかが問われる。
システム監査技術者試験の過去問では8回出題されています(2017年度〜2025年度)。
いっぱんきじゅん・じっしきじゅん・ほうこくきじゅん
一般基準・実施基準・報告基準の意味
監査基準を構成する三つの区分。監査人の資質や独立性など前提条件を扱うのが一般基準、計画から証拠入手までの実施手順を扱うのが実施基準、報告書の記載内容とフォローアップを扱うのが報告基準。どの要求事項がどの区分に属するかが問われる。
一般基準・実施基準・報告基準の具体例
「監査人は被監査部門から独立していなければならない」は一般基準、「監査手続は監査要点に応じて選択する」は実施基準、「発見した事実と意見は区別して記載する」は報告基準に対応する。監査計画書ではこの三区分に沿って準拠性を自己点検する。
一般基準・実施基準・報告基準は試験でどう引っ掛けられる?
独立性の要求は実施の段階ではなく一般基準に属する。監査人としての適格性に関わる事項だからである。またフォローアップは「報告後の活動だから基準の外」と考えがちだが、報告基準に含まれる監査人の責務として位置づけられている。
一般基準・実施基準・報告基準と関連する用語
一般基準・実施基準・報告基準が出た過去問
金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(平成23年)”において,“全社的な内部統制”としての“ITへの対応”に該当する評価項目はどれか。
正解:経営者は,ITに関する適切な戦略,計画などを定めているか。
要点:全社的なITへの対応は経営者のIT戦略・計画の適切性を問う
全社的な内部統制は、組織全体に影響を及ぼす統制環境やリスク評価、ITへの対応などを対象とし、経営者レベルの方針・体制が評価項目になる。したがってITへの対応では、経営者がIT戦略や計画を適切に定めているかが問われる。個別システムの試験の十分性や障害対応、委託契約の締結といった項目は、業務プロセスに係る内部統制やIT全般統制の領域である。
出典:平成29年度 春期 システム監査技術者試験 am2 問10(IPA)金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(令和元年)”におけるITに係る業務処理統制に該当するものはどれか。
正解:利用部門によるエラーデータの修正と再処理
要点:業務処理統制は入力から出力までの正確性確保、基盤側は全般統制
ITに係る統制は、全般統制と業務処理統制に大別される。業務処理統制は個々の業務システムの中で、入力・処理・出力が正確かつ網羅的に行われることを確保する仕組みで、エラーデータの検出と利用部門による修正・再処理はその典型である。開発・保守の管理、運用管理、外部委託契約の管理は、複数の業務処理統制を支える基盤としてのIT全般統制に区分される。
出典:令和2年度 10月 システム監査技術者試験 am2 問10(IPA)金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(令和元年)”に基づいた、“ITに係る全般統制”のうちの“システムの運用・管理”に関する監査上の留意…
正解:障害や故障等によるデータ消失等に備えて、データを保存し、復旧するための対策が取られていること
要点:運用・管理の代表例はバックアップと復旧など日々の安定稼働の統制
IT全般統制は、開発・保守の管理、運用・管理、内外からのアクセス管理などの安全性確保、外部委託の管理といった領域に分けられる。このうち運用・管理は、システムを日々安定して動かすための統制で、障害や故障によるデータ消失に備えたバックアップと復旧の対策が代表例である。開発手法の適用や移行時の統制は開発・保守の領域、アクセス管理方針は安全性確保の領域に属する。
出典:令和3年度 秋期 システム監査技術者試験 am2 問9(IPA)金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(令和元年)”に基づき、今年度改修した“自動化されたITに係る業務処理統制(ITAC)”の整備状況が…
正解:ITに係る全般統制が有効である。
要点:IT全般統制が有効なら自動化統制は反復性が担保され評価を簡素化できる
自動化された業務処理統制は、プログラムが変更されない限り同じ処理を繰り返すため、一度有効性を確かめれば結果が安定する。ただしこの前提が成り立つのは、プログラム変更管理やアクセス管理といったIT全般統制が有効に機能し、無断の変更が起きないことが担保されている場合に限られる。したがって全般統制が有効であることが、評価作業を簡素化できる条件となる。
出典:令和4年度 秋期 システム監査技術者試験 am2 問10(IPA)金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(令和5年)”に基づき、出荷管理システムを利用している出荷の正当性に関する業務処理統制についての監査…
正解:出荷管理システムから出力された日別出荷一覧表を入手し、出荷業務責任者の承認印を確認する。
要点:承認統制の運用検証は実際の帳票に残る承認証跡の確認が直接的
出荷の正当性に関する業務処理統制とは、正当な出荷だけが処理されるよう承認を経る仕組みである。その運用状況を確かめるには、実際に出力された日別出荷一覧表を入手し、責任者の承認が確かに行われた証跡を確認するのが直接的である。サーバ設置環境の観察やヒアリング、プログラム自体の検証は、それぞれ別の統制領域や整備状況の確認手続に当たる。
出典:令和6年度 秋期 システム監査技術者試験 am2 問3(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。