モデル取引・契約書(多段階契約)とは?
モデル取引・契約書(多段階契約)とは、情報システム開発の各工程を1本の契約でまとめず、工程ごとに内容と契約形態を分けて順に結ぶ考え方。要件が固まっていない上流で完成義務を負わせる無理をなくし、確定した範囲ごとに見積りと責任を明確にできる。
ITパスポートの過去問では4回出題されています(2012年度〜2016年度)。
もでるとりひき・けいやくしょ
モデル取引・契約書(多段階契約)の意味
情報システム開発の各工程を1本の契約でまとめず、工程ごとに内容と契約形態を分けて順に結ぶ考え方。要件が固まっていない上流で完成義務を負わせる無理をなくし、確定した範囲ごとに見積りと責任を明確にできる。
モデル取引・契約書(多段階契約)の具体例
要件定義は準委任、外部設計以降は範囲が確定した段階で請負とし、工程の切れ目ごとに成果物を確認して次工程の契約を結ぶ。要件定義の結果、想定規模が2倍と判明した場合は、次工程の契約前に投資判断をやり直せる。
モデル取引・契約書(多段階契約)は試験でどう引っ掛けられる?
準委任だから成果に責任がない、ではない。善良な管理者の注意義務は負う。また工程を分けても総額が確定するわけではなく、次工程の合意が得られない中断リスクは残る。分割数を増やすほど契約手続の工数も増えるため、細分化すればよいという理解も誤り。工程間の隙間で責任の空白が生じないよう、引き渡す成果物の定義が要る。
モデル取引・契約書(多段階契約)と関連する用語
モデル取引・契約書(多段階契約)が出た過去問
ソフトウェアの開発を外部ベンダに委託する。委託契約において特段の取決めがない場合、このソフトウェアの知的財産としての権利の帰属を規定している法律はどれか。
正解:著作権法
要点:取決めがなければソフトの著作権は作成した受託側に帰属(著作権法)
プログラムは著作物として著作権法の保護対象であり、著作権は原則として実際に作成した者(受託したベンダ側)に発生する。委託契約で権利の帰属を特に定めなければ、発注者に自動的に移転はしない。そのため外部委託では、著作権の帰属や利用許諾の範囲を契約書で明記しておくことが重要になる。
出典:平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問24(IPA)新たに考案したアルゴリズムを用いた画像処理のプログラミング作業を、外部ベンダに委託することにした。情報の取扱いについて厳格に管理することを促すために契約書に盛り…
正解:秘密保持
要点:委託先への技術情報の管理徹底は契約書の秘密保持条項で担保する
新たに考案したアルゴリズムは公開されると価値を失う重要な技術情報であり、委託先に対しては業務で知り得た情報を外部に漏らさない義務を明確にしておく必要がある。契約書に秘密保持条項(NDA)を設けることで、取扱い範囲・目的外利用の禁止・違反時の措置を定められる。
出典:平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問52(IPA)X社の要員をA社に駐在させ、A社のプロジェクトリーダの指示の下でヘルプデスク業務を行っている。このときA社がX社と取り交わす契約書として適切なものはどれか。
正解:労働者派遣契約書
要点:指揮命令が発注者側にあるなら請負ではなく労働者派遣契約
要員が発注側の事業所に常駐し、発注側のリーダーの指揮命令を受けて作業する形態は、労働者派遣に該当する。請負では仕事の完成が目的で指揮命令は受注側が行うため、発注側が直接指示を出すと偽装請負になる。したがってA社とX社の間で結ぶべきは労働者派遣契約である。
出典:平成24年度 春期 ITパスポート試験 問9(IPA)システム開発部門のシステム監査における実施事項はどれか。
正解:システム開発手順の不備の指摘
要点:システム監査は独立した立場で不備を検証し指摘・助言する
システム監査は、監査対象から独立した立場で情報システムの企画・開発・運用などを点検・評価し、問題点を指摘して改善を助言する活動である。したがってシステム開発部門を監査する際は、開発手順に不備がないかを確かめ、あれば指摘することが実施事項となる。契約書の作成、不具合の修正、教育の実施はいずれも被監査側が行う業務であり、監査人が担うと独立性を損なう。
出典:平成28年度 春期 ITパスポート試験 問37(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。