期待値と分散とは?
期待値と分散とは、期待値は各結果の値に確率を掛けて合計した平均的な値、分散はその期待値からのばらつきの大きさ。分散の平方根が標準偏差で、元データと同じ単位になるため実務での比較に使いやすい。意思決定では期待値だけでなく分散を併せて見ることで、平均は同じでもリスクの大きさが違う案を区別できる。
高度試験・午前I(全区分共通)の過去問では5回出題されています(2017年度〜2024年度)。
きたいちとぶんさん
期待値と分散の意味
期待値は各結果の値に確率を掛けて合計した平均的な値、分散はその期待値からのばらつきの大きさ。分散の平方根が標準偏差で、元データと同じ単位になるため実務での比較に使いやすい。意思決定では期待値だけでなく分散を併せて見ることで、平均は同じでもリスクの大きさが違う案を区別できる。
期待値と分散の具体例
期待利益が同じ2案でも、分散が大きい案は大損の可能性を含むため、資金に余裕がなければ分散の小さい案を選ぶ。プロジェクトの工数見積りでも、期待値50人月・標準偏差10人月と分かれば、バッファを何人月積むかを確率的な根拠付きで説明できる。
期待値と分散は試験でどう引っ掛けられる?
独立な確率変数の和では分散も加算できるが、標準偏差は加算できない(平方根を取るのは合計した分散に対して)。また期待値は実際に起こりうる値とは限らず、サイコロの期待値3.5のように出目に存在しない値になる。
期待値と分散と関連する用語
期待値と分散が出た過去問
容量がaMバイトでアクセス時間がxナノ秒の命令キャッシュと、容量がbMバイトでアクセス時間がyナノ秒の主記憶をもつシステムにおいて、CPUからみた、主記憶と命令…
正解:(1-r)・x + r・y
要点:平均アクセス時間=ヒット率×高速側+ミス率×低速側
平均アクセス時間は、ヒット時とミス時の時間を出現割合で重み付けした期待値である。ミス率がrなのでヒット率は1-rとなり、ヒット時はキャッシュのx、ミス時は主記憶のyがかかる。したがって(1-r)x+ryとなり、容量a・bは重みには関係しない。
出典:平成29年度 秋期 高度共通_午前I試験 am1 問4(IPA)受験者1,000人の4教科のテスト結果は表のとおりであり、いずれの教科の得点分布も正規分布に従っていたとする。90点以上の得点者が最も多かったと推定できる教科は…
正解:B
要点:正規分布の上位割合は標準化値zの小ささで決まる
正規分布では、ある得点以上の割合は標準化した値 z=(得点-平均点)/標準偏差 の大小だけで決まり、zが小さいほど上位の人数が多くなる。90点についてzを求めるとAは(90-45)/18=2.5、Bは(90-60)/15=2.0、Cは(90-70)/8=2.5、Dは(90-75)/5=3.0となる。zが最も小さいのは教科Bなので、90点以上の得点者が最も多かったと推定できる。
出典:平成30年度 秋期 高度共通_午前I試験 am1 問3(IPA)容量がaMバイトでアクセス時間がxナノ秒の命令キャッシュと、容量がbMバイトでアクセス時間がyナノ秒の主記憶をもつシステムにおいて、CPUからみた、主記憶と命令…
正解:(1-r)・x + r・y
要点:平均アクセス時間=ヒット率×高速側+ミス率×低速側
平均アクセス時間は、キャッシュにヒットしたときとミスしたときの時間を、それぞれの発生確率で重み付けした期待値になる。ミス率がrなのでヒット率は(1-r)であり、平均アクセス時間は (1-r)・x + r・y と表される。容量aやbは確率とは無関係なので式には現れない。
出典:令和1年度 秋期 高度共通_午前I試験 am1 問5(IPA)平均が60、標準偏差が10の正規分布を表すグラフはどれか。
正解:山が1つの左右対称な釣鐘型の曲線。頂点はx=60、点線でx=60とx=70の位置が示されている(すそが緩やかに広い)。
要点:正規分布は平均が山の頂点、標準偏差が山の広がりを決める
正規分布は平均を頂点とする左右対称の釣鐘型で、標準偏差が山の広がり(変曲点までの距離)を決める。平均60・標準偏差10なら頂点はx=60、山の広がりの目安は60±10となる。頂点が60で幅の目安が10であるアがこれに当たる。
出典:令和5年度 春期 高度共通_午前I試験 am1 問2(IPA)ビット誤り率が0.0001%の回線を使って、1,500バイトのパケットを10,000個送信するとき、誤りが含まれるパケットの個数の期待値はおよそ幾らか。
正解:120
要点:パケット誤り率=ビット数×ビット誤り率で期待値120
1パケットは1,500バイト=12,000ビット。ビット誤り率0.0001%=1×10のマイナス6乗なので、1パケットに誤りが含まれる確率はおよそ12,000×10のマイナス6乗=0.012。10,000個送信すると期待値は10,000×0.012=120個となる。
出典:令和6年度 春期 高度共通_午前I試験 am1 問11(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。