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システム監査技術者試験とは?

システム監査技術者試験(略号AU)は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験です。

高度IT人材として確立した専門分野をもち、高い倫理観の下で、監査対象から独立かつ客観的な立場に立って情報システムや組込みシステムを総合的に検証・評価する人材を認定します。監査報告の利用者に対して、情報システムのガバナンス・マネジメント・コントロールの適切性などに保証を与えるか、改善のための助言を行うのが役割で、情報処理技術者試験のなかで唯一「作る側」ではなく「検証・評価する側」に立つ試験区分です。情報処理技術者試験の高度試験(レベル4)に位置づけられ、前身は昭和45年度から実施された「情報処理システム監査技術者試験」という長い歴史をもちます。なお、この試験は2026年度(令和8年度)の実施をもって終了する予定が公表されています(詳しくは「今後の試験制度について」をご覧ください)。

合格率の目安約16〜17%令和5〜7年度(ペーパー方式時代の実績)
受験料7,500円消費税込み・インターネット申込みのみ
試験時間50〜120分×4科目A-1 50分・A-2 40分・B-1 90分・B-2 120分

試験の位置づけ

難易度が高いレベル4レベル3レベル2レベル1高度試験(9区分)・情報処理安全確保支援士この試験応用情報技術者試験(AP)基本情報技術者試験(FE)情報セキュリティマネジメント(SG)ITパスポート(IP)
IPAの共通キャリア・スキルフレームワークに基づくレベル区分。システム監査技術者試験はレベル4に位置づけられています。

試験の実施概要

試験方式CBT方式(2026年度から。実施は「後期」の年1回で、一定期間内の複数日に実施され、受験者が試験日時・会場を選びます。申込みは前期・後期それぞれ1回のみで、高度試験では科目A群(A-1・A-2)と科目B群(B-1・B-2)を別日に実施します)
試験時間・問題数科目A-1:50分・多肢選択式(四肢択一)30問/科目A-2:40分・多肢選択式(四肢択一)25問/科目B-1:90分・記述式3問中2問選択/科目B-2:120分・論述式(小論文)2問中1問選択。科目A-1終了後と科目B-1終了後に、それぞれ最長10分の休憩を取れます
合格基準素点方式。科目A-1・科目A-2・科目B-1は100点満点で基準点60点、科目B-2は配点ではなく評価ランクで評価され、ランクAが合格水準です。すべての科目が基準点以上(科目B-2は評価ランクA)で合格となります。多段階選抜方式のため、科目A-1・A-2が基準点に達しないと科目B-1・B-2は採点されず、科目B-1が基準点に達しないと科目B-2は採点されません。問題の難易差が認められた場合、基準点が変更されることがあります
受験料7,500円(消費税込み)。申込みはインターネット申込みのみで、申込み時に自分で試験日時・試験会場を選びます
受験資格年齢・学歴・実務経験による制限は設けられていません。ただし試験要綱に受験資格の規定そのものが無く、公式サイトでも「制限はありません」という明示的な記載は確認できていないため、規定が存在しないことからの推定です
合格率の目安おおむね16〜17%(令和5年度16.4%、令和6年度16.7%、令和7年度16.1%)。IPA高度試験のなかでは標準的な難度帯です。応募者数は3,000人規模と小さく(令和7年度3,183人)、受験者数が最も少ない高度試験区分の一つです。応募者のうち実際に受験するのは約7割にとどまります。なお、これらはペーパー方式時代の数字です
実施時期(令和8年度)後期のみの実施です。申込受付は2027年1月27日〜2月27日、科目A-1・A-2の実施期間は2027年2月20日〜3月2日、科目B-1・B-2の実施期間は2027年3月16日〜3月28日、合格発表は2027年6月頃の予定です(詳細は後日IPAが公表)
科目A-1の免除制度応用情報技術者試験に合格する/いずれかの高度試験・支援士試験に合格する/いずれかの高度試験・支援士試験の科目A-1試験(令和7年度試験までは午前Ⅰ試験)で基準点以上を得る、のいずれかを満たすと、その後2年間は科目A-1試験が免除されます。高度試験で免除対象になるのは科目A-1のみです
受験者の平均年齢令和7年度秋期の受験者は平均44.8歳(応募者44.4歳、合格者42.6歳)で、情報処理技術者試験の全区分のなかで最も高い水準です。実務経験を積んだ層が受ける試験であることが統計にも表れています

取得するとどうなるか

試験要綱では、独立かつ客観的な立場で情報システム・組込みシステムを監査する業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに下位者を指導することが期待されています。①システムの企画・開発・運用・保守・廃棄のプロセスに関する幅広く深い知識にもとづいて、システムに係るリスクを分析し、必要なコントロールを検証・評価すること、②その検証・評価によって保証を与えるか改善のための助言を行い、組織体の目標達成に寄与する、あるいは利害関係者に対する説明責任を果たすこと、③そのための監査計画を策定して監査を実施し、結果をトップマネジメントおよび関係者に報告してフォローアップすることです。 技術水準としては、リスクとコントロールの専門知識をもち、問題点を分析・評価するための判断基準を自ら形成できること、ビジネス要件・経営方針・関連法令・ガイドライン・契約・内部規程に合致したリスクベースの監査計画を立案できること、監査要点を適切に設定して監査技法を的確に適用できること、監査証拠にもとづいて論理的に報告書をまとめ説得力のある改善提案を行えることが求められます。 この資格には業務独占も名称独占もありません。登録制度も無く、合格証書が交付されるのみです(合格証明書の交付手続きは別途あります)。その代わり更新制でもないため、合格は生涯有効で、講習義務や更新手数料といった維持コストは一切かかりません。ただし「業務独占・名称独占が無い」という点は、試験要綱やIPAの試験関連ページにそうした規定が存在しないことからの記述で、公式サイト上に明記された原文を確認したわけではありません。 他の国家試験・公的制度での優遇も用意されています(いずれも高度試験の合格者が対象で、この試験も高度試験に含まれます)。弁理士試験では論文式筆記試験の選択科目「理工Ⅴ(情報)」が免除され、技術士試験では第一次試験の専門科目(情報工学部門)が免除されます。ITコーディネータ(ITC)試験では試験科目が一部免除される「専門スキルコース」を受験でき、資格更新時のポイントにもなります。国家公務員の選考採用・特定任期付職員採用や、警察庁の一般職技術系職員(サイバー採用・情報処理技術者採用)では高度試験の合格が応募資格の一つとされることがあり、都道府県警のサイバー犯罪捜査官等でも応募資格・加点の対象になります。厚生労働省のものづくりマイスター(IT職種)の認定基準の一つでもあります。なお中小企業診断士試験については「応用情報技術者試験又は一部の高度試験の合格者」が第1次試験科目の一部免除の対象とされていますが、この試験がその「一部」に含まれるかはIPAのページからは確認できず、2026-08-13時点では未確認です。受験を検討する際は中小企業診断協会の原典でお確かめください。試験制度内の優遇としては、合格すると他の高度試験・支援士試験の科目A-1試験がその後2年間免除されます。

役立つ職種・年収の目安

評価されやすいのは、システム監査人、内部監査部門のIT監査担当、監査法人やコンサルティングファームのIT監査/システムリスクアドバイザリー、情報システム部門の管理者・統制担当、情報セキュリティ監査、個人情報保護監査、金融機関のシステムリスク管理部門といった職種です。活きる場面としては、内部統制報告制度(J-SOX)のIT統制評価、システム監査基準情報セキュリティ監査基準にもとづく監査、外部委託先やクラウドサービスの管理状況の評価、プロジェクト管理の監査、事業継続管理(BCM)の監査、アジャイル開発の監査などが挙げられます。受験者の平均年齢が高度試験のなかでも最も高い層であることからも分かるように、実務経験を積んだ管理職・監査職が仕上げに取る性格が強い試験です。 年収については注意が必要です。「システム監査技術者試験の合格者の平均年収」を示す公的統計は存在せず、IPAも合格者の年収を公表していません。また厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」を「システム監査」で検索しても、この試験を「関連する資格」として挙げている職業は1つも見つかりませんでした(内部監査人、ITコンサルタント、セキュリティエキスパート(情報セキュリティ監査)などのページを確認しましたが、いずれも記載はありません)。 以下は近接する職業の公的統計であり、資格保有者の年収そのものではありません。job tagの職業別賃金(いずれも令和7年賃金構造基本統計調査を加工)によると、内部監査人は平均年収525.2万円(平均44.9歳)、セキュリティエキスパート(情報セキュリティ監査)は583.3万円(平均41.7歳)、ITコンサルタントは889.0万円(平均38.3歳)です。監査という役割が最も近いのは内部監査人、助言・改善提案の面で重なるのがITコンサルタントですが、後者には監査の独立性という要素はありません。また同サイトのITSSスキルレベル別給与水準(企画立案・プロジェクト管理職)では、この試験が相当するレベル4は650.0〜950.0万円とされています(レベル3は600.0〜900.0万円、レベル5以上は700.0〜1,100.0万円)。 これらを合わせると目安は年収およそ525〜950万円と幅が非常に広くなりますが、あくまで職業やスキルレベルの統計であって、この資格を取ればこの金額になるという意味ではありません。資格手当や資格保有者の年収については、統計的な裏づけのある信頼できる出典が見つかりませんでした。

今後の試験制度について

この試験には、2つの大きな変化が同時に起きています。学習の計画を立てる前に、必ず両方をご確認ください。 1つ目は、2026年度(令和8年度)からのCBT方式への移行です。応用情報技術者試験・高度試験(8区分)・情報処理安全確保支援士試験は、ペーパー方式からCBT(Computer Based Testing)方式へ移行しました。実施時期はこれまでの「秋期(10月)の年1回」から「後期」(一定期間内の複数日で実施)に変わり、年1回であることは変わりません。科目名も「午前Ⅰ/午前Ⅱ/午後Ⅰ/午後Ⅱ」から「科目A-1/科目A-2/科目B-1/科目B-2」へ変更され、「午前Ⅰ免除」も「科目A-1試験免除」という名称になりました。一方で、出題形式・出題数・試験時間と、問う知識・技能の範囲に変更はありません。身体の不自由等でCBT方式を受けられない人向けに、筆記による特別措置試験も実施されます。市販教材やネット上の情報には午前Ⅰ・午後Ⅱといった古い呼び方が残っているので、混ぜないよう気をつけてください。 2つ目は、より重要な変化です。システム監査技術者試験は、2026年度の試験実施をもって終了する予定が公表されています。経済産業省とIPAは「Society 5.0時代のデジタル人材育成に関する検討会 報告書」(2025年5月公表)を踏まえ、2027年度(令和9年度)から新試験制度へ移行することを公表しており、IPAは「現行試験制度については、2026年度の試験実施をもって終了する予定です」と明記しています。新制度の試験区分は8つ(ITパスポート/データマネジメント(仮称・新設)/情報セキュリティマネジメント/基本情報技術者/プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)(仮称・新設)/同(データ・AI)(仮称・新設)/同(システム)(仮称・新設)/情報処理安全確保支援士)で、この8区分にシステム監査技術者試験はありません。現在の応用情報技術者試験と高度試験は、「プロフェッショナルデジタルスキル試験」(仮称)の3区分に大括り化したうえで内容を再編すると説明されています。したがって、2027年2〜3月に実施される令和8年度後期が、現時点の予定では最後のシステム監査技術者試験ということになります。「毎年受けられる資格」ではない点にご注意ください。 監査の内容そのものは無くなるわけではなく、「出題範囲等の改定案(Ver.1.0)」によれば、プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)に引き継がれます。同試験が評価する専門的知識・技能の4つ目として「デジタル環境におけるリスクを踏まえて、ガバナンス、マネジメント、コントロールを検証及び評価して、指摘・改善提案を行う専門的な知識及び技能」が挙げられ、科目B(技能)の出題範囲の4番目が「組織のガバナンス・監査に関すること」、科目Aの出題範囲体系にも中分類「ガバナンス・監査」が新設されます。試験時間は科目A-1が90分(60問)、科目A-2と科目Bを合わせて120分(科目A-2は23問、科目Bは12問)で、論述式は現時点の案には現れていません。開始時期は2027年度の夏頃〜秋頃が予定されています。免除制度は現行の高度試験と同等のものを設ける方向で、経過措置として現行の高度試験で一部科目の免除要件を満たした場合、一定期間は新試験でも一部科目を免除することが検討されています。 ただし、公表内容は「現時点での検討状況」であり、今後変更が生じる可能性があるとIPA自身が明記しています。「廃止が決定した」わけではなく、あくまで「2026年度の実施をもって終了する予定」という段階です。また、すでに合格した人の資格が新試験でどう扱われるか(読み替えなど)は、2026-08-13時点の調査では確認できませんでした。合格そのものが無効になるとは書かれていませんが、断定できる情報はありません。最新の情報はIPAの公表をご確認ください。

出題範囲と科目

科目A-1共通知識・レベル3テクノロジ系基礎理論〜開発技術RAID正規化公開鍵暗号方式デジタル署名マネジメント系PM・サービスマネジメントSLAインシデント管理変更管理ストラテジ系システム戦略〜企業と法務SWOT分析PPMBSC損益分岐点科目A-2専門知識・レベル4システム監査重点分野・この試験の中核システム監査基準内部統制ITガバナンス監査手続セキュリティ重点分野・管理/評価基準ISMSリスクアセスメント情報セキュリティ監査法務重点分野・法定監査関連個人情報保護法金融商品取引法内部統制報告制度科目B記述式・論述式監査対象の理解情報システム・組込み・NWIoT事業継続管理BCP監査の実践ITガバナンス・IT統制監査計画リスクアプローチ予備調査本調査行為規範・関連法規倫理・独立性/監査技法監査調書監査報告書CAATCSA
科目A-1は高度試験の共通問題、科目A-2の重点分野はシステム監査・セキュリティ・法務の3つ。科目Bは記述式と論述式です。下線つきの用語から解説ページへ移動できます。

科目A-1(共通知識)

高度試験・支援士試験に共通の問題で、区分によらず同じ問題が出ます。応用情報技術者試験の科目Aと同じ水準・範囲で、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の全分野から広く出題されます(技術レベル3)。システム監査に固有の内容ではなく、IT全般の基礎知識のふるい落としとして機能します。

科目A-2(専門知識)

この試験の専門知識を四肢択一で問う科目です。重点分野はシステム監査(マネジメント系)・セキュリティ(テクノロジ系)・法務(ストラテジ系)の3つで、いずれも技術レベル4(専門家水準)が求められます。データベース、ネットワーク、システム開発技術、サービスマネジメント、経営戦略マネジメント、企業活動はレベル3として出題されます。

科目A-2の重点分野:システム監査・セキュリティ・法務

システム監査では、監査の計画・実施・報告・フォローアップ、監査基準、内部統制、IT統制の枠組みなどが問われます。この試験の中核であり、他の高度試験でこの中分類がレベル4になるのはこの区分だけです。セキュリティは、情報の機密性・完全性・可用性、脅威・脆弱性、暗号・認証、セキュリティ管理と評価基準などで、監査対象として最も頻繁に扱う領域であるためレベル4とされています(技術面よりも管理面・評価基準寄りの項目が中心です)。法務は、情報セキュリティ関連法規、個人情報保護関連法規、知的財産権関連法規、労働関連法規、法定監査関連法規(会社法・金融商品取引法など)、各種基準・ガイドラインを扱います。監査は法令・基準への準拠性を判断する仕事なのでレベル4です。

出題範囲① 情報システム・組込みシステム・通信ネットワークに関すること

監査の「対象」を理解するための土台になる領域です。経営一般、情報戦略、情報システム(アプリケーション、ソフトウェアパッケージ、クラウド、モバイル、ビッグデータ、AIなど)、組込みシステム(IoTを含む)、通信ネットワーク、ソフトウェアライフサイクルモデル、プロジェクトマネジメント、ITサービスマネジメント、インシデント管理、リスク管理、品質管理、情報セキュリティマネジメント及び関連技術、外部サービス管理、事業継続管理、DXが含まれます。監査人自身が「作る側」の知識をもっていないと検証・評価できない、という前提が置かれています。

出題範囲② システム監査の実践に関すること

「何を監査するか」を扱う領域です。ITガバナンスの監査、IT統制の監査、ITマネジメントの推進・管理体制の監査、プロジェクト管理の監査、企画・開発・運用・保守・廃棄プロセスの監査、アジャイル開発の監査、外部サービス管理の監査、事業継続管理の監査、人的資源管理の監査、ワークエンゲージメントの監査、情報セキュリティ監査、個人情報保護監査、他の監査(会計監査・業務監査・内部統制監査ほか)との連携・調整が含まれます。

出題範囲③ システム監査人の行為規範に関すること

「どう監査するか、監査人としてどう振る舞うか」を扱う領域です。監査体制(監査ニーズの把握、監査品質の確保)、監査人の倫理、監査の独立性と客観性の保持、監査の能力および正当な注意と秘密の保持、監査計画の策定(リスクアプローチを含む)、監査の実施、監査の報告、フォローアップCAAT(データ分析ツール、電子調書システムなど。AIを用いた監査を含む)、デジタルフォレンジックスCSA(統制自己評価)が含まれます。

出題範囲④ システム監査関連法規に関すること

「何を判断基準にするか」を扱う領域です。情報セキュリティ関連法規(刑法、不正アクセス禁止法、情報流通プラットフォーム対処法など)、個人情報保護関連法規、知的財産権関連法規、労働関連法規、法定監査関連法規(会社法、金融商品取引法など)、システム監査および情報セキュリティ監査に関する基準・ガイドライン・施策、内部監査および内部統制に関する基準・ガイドライン・施策が含まれます。

シラバスの4大項目:計画・実施・報告・管理(22小項目)

シラバス Ver.6.2 は、要綱の出題範囲を監査の実務プロセスに沿って組み替えています。「1 システム監査の計画」(3項目)は中長期計画・年度計画・個別監査計画の策定で、リスクアプローチにもとづいて監査目標・監査対象・監査手続・日程・体制を組み立てます。「2 システム監査の実施」(8項目)は実施準備、予備調査監査手続の選択、本調査(現地調査・インタビュー・ドキュメントレビューなど)、監査調書の作成と保管、結論の形成と総合検討、監査報告書案の作成という一連の実務です。「3 システム監査の報告」(7項目)は指摘事項・改善提案・補足事項の記載、報告書の提出、監査報告会、フォローアップ、年度報告書の作成で、発見事項をトップマネジメントに伝わる形で書き、ビジネスリスクの観点から改善提案を行って実行までフォローします。「4 システム監査業務の管理」(4項目)は進捗管理、品質の確保、監査業務の改善、監査体制の整備で、監査人の倫理・育成・体制整備を含みます。

科目B-2(論述式・小論文)の書き方

科目B-2は指定された字数で、自らの経験にもとづく監査の実務を論述する小論文です。IPAの高度試験で論述式を課すのはST・SA・PM・SM・ES・AUの6区分だけで、この試験の最大の関門になります。評価の視点は、設問で要求した項目の充足度、論述の具体性、内容の妥当性、論理の一貫性、見識に基づく主張、洞察力・行動力、独創性・先見性、表現力・文章作成能力などです。評価はランクA〜Dの4段階で、合格水準にあるランクAだけが合格となります(Bは「合格水準まであと一歩」、Cは「内容が不十分/問題文の趣旨から逸脱」、Dは「著しく不十分/著しく逸脱」)。受験時に示される「解答に当たっての指示」に従わない場合は、論述の内容にかかわらず評価を下げられることがあります。

よくある質問

Q. システム監査技術者試験に受験資格はありますか?

年齢・学歴・実務経験による制限は設けられていません。ただし試験要綱に受験資格の規定そのものが無く、公式サイトでも「制限はありません」という明示的な記載は確認できていないため、規定が存在しないことからの推定です。受験料は7,500円(消費税込み)で、申込みはインターネット申込みのみです。申込み時に自分で試験日時・試験会場を選びます。

Q. システム監査技術者試験の難易度はどのくらいですか?

情報処理技術者試験の高度試験(レベル4)に位置づけられます。合格率はおおむね16〜17%(令和5年度16.4%、令和6年度16.7%、令和7年度16.1%)で、IPA高度試験のなかでは標準的な難度帯です。応募者数は3,000人規模と小さく、受験者数が最も少ない高度試験区分の一つです。令和7年度秋期の受験者は平均44.8歳と情報処理技術者試験の全区分のなかで最も高く、実務経験を積んだ層が受ける試験であることが統計にも表れています。

Q. システム監査技術者試験はCBT方式ですか?

はい。2026年度からCBT方式へ移行しました。実施は「後期」の年1回で、一定期間内の複数日に実施され、受験者が試験日時・会場を選びます。科目A群(A-1・A-2)と科目B群(B-1・B-2)は別日に実施されます。科目名も「午前Ⅰ/午前Ⅱ/午後Ⅰ/午後Ⅱ」から「科目A-1/科目A-2/科目B-1/科目B-2」へ変わりましたが、出題形式・出題数・試験時間と、問う知識・技能の範囲に変更はありません。身体の不自由等でCBT方式を受けられない人向けに、筆記による特別措置試験も実施されます。

Q. システム監査技術者試験はいつまで実施されますか?

IPAは現行試験制度について「2026年度の試験実施をもって終了する予定」と明記しています。2027年度から移行する新試験制度の8区分にシステム監査技術者試験は含まれておらず、2027年2〜3月に実施される令和8年度後期が、現時点の予定では最後の実施です。監査の内容そのものはプロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)に引き継がれる方向ですが、IPA自身が「公表内容は現時点での検討状況であり、今後、変更が生じる場合があります」と断っており、確定事項ではありません。

Q. システム監査技術者試験の合格に有効期限はありますか?

ありません。登録制度も更新制も無く、合格証書が交付されるのみで、講習義務や更新手数料といった維持コストはかかりません。合格すると、ほかの高度試験・情報処理安全確保支援士試験の科目A-1試験がその後2年間免除されます。このほか弁理士試験の論文式筆記試験の選択科目「理工Ⅴ(情報)」、技術士試験の第一次試験の専門科目(情報工学部門)も免除されます。

出典

最終更新:2026-08-13/内容は公式の試験要綱・シラバス等に基づいていますが、受験の際は必ず最新の公式情報をご確認ください。