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情報セキュリティマネジメント試験とは?

情報セキュリティマネジメント試験(略号SG)は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施する情報処理技術者試験の一区分で、「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家試験です。

情報システムの利用部門で情報セキュリティリーダーの役割を果たす人を対象に、情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善を通じて組織を脅威から守るための基本的なスキルを認定します。平成28年度(2016年度)春期に新しい試験区分として創設されました。共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)のレベル2相当で、合格者には経済産業大臣署名の合格証書が交付されます。

合格率の目安約69〜73%直近3年(令和5〜7年度)
受験料7,500円消費税込み
試験時間120分・60問科目A 48問/科目B 12問

試験の位置づけ

難易度が高いレベル4レベル3レベル2レベル1高度試験(9区分)・情報処理安全確保支援士応用情報技術者試験(AP)基本情報技術者試験(FE)情報セキュリティマネジメント(SG)この試験ITパスポート(IP)
IPAの共通キャリア・スキルフレームワークに基づくレベル区分。情報セキュリティマネジメント試験はレベル2に位置づけられています。

試験の実施概要

試験方式CBT方式(試験会場のコンピュータを使用)。年間を通じて随時実施されます。身体の不自由等でCBT方式を受けられない方向けに、筆記(ペーパー)方式の特別措置試験が年2回あります(要・証明書類の申請)。
試験時間・問題数120分/60問(科目A 48問・科目B 12問)。科目Aと科目Bを一つの試験時間内にまとめて実施します。うち評価対象は54問で、残り6問は今後出題する問題の評価に使われます。出題形式は科目Aが四肢択一式(知識)、科目Bが多肢選択式(技能)です。
合格基準総合評価点 600点以上/1,000点満点。IRT(項目応答理論)に基づいて解答結果から評価点を算出します。
受験料7,500円(消費税込み)。前売りのバウチャーチケットもありますが、2026年7月31日で購入申込受付を一時停止中です(2026年8月3日時点)。
受験資格試験要綱 Ver.5.6 およびIPA公式サイトのいずれにも、年齢・学歴・国籍・実務経験による制限を定めた記載は見当たりません。ただし「制限なし」と明言した公式の文言も確認できていないため、申込み前にIPAの最新案内をご確認ください。
レベル共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)のレベル2相当。ITを利活用する人が主な対象のため、技術的な項目は出題範囲から除外されています。
合格率の目安おおむね69〜73%で安定しています(直近3年:令和5年度 72.6%、令和6年度 69.0%、令和7年度 70.0%)。受験者数も令和5年度 36,362人 → 令和6年度 41,657人 → 令和7年度 45,924人と増加が続いています。

取得するとどうなるか

試験要綱が掲げる「期待する技術水準」は、部門の情報セキュリティマネジメントの一部を独力で遂行できること、情報セキュリティインシデントが起きた(またはそのおそれがある)ときに情報セキュリティリーダーとして適切に対処できること、IT全般の基本的な用語・内容を理解できること、情報セキュリティ技術や社内の情報セキュリティ諸規程について基本的な知識をもち部門の対策の一部を実現できること、外部の機関や他社から動向・事例を集めて自部門への適用の必要性を評価できること、の5つです。IPAは合格によって実現できることとして、部門全体のセキュリティ意識向上とリスク低減、トラブル発生時の適切な事後対応、安全で積極的なIT利活用を挙げています。 一方で、この資格に独占業務はなく、名称独占資格でもありません。他資格の一部免除の対象にもなりません(中小企業診断士試験・弁理士試験・技術士試験の一部免除などIPAが挙げる優遇制度は、いずれも応用情報技術者試験以上が条件です)。SG合格による高度試験の科目免除もありません。なお更新は不要で、合格に有効期限はなく、過去の合格が無効になることもないとIPAが明記しています。合格証書は経済産業大臣署名で交付され再発行はできません(有料の「合格証明書」はIPAが発行できます)。

役立つ職種・年収の目安

この試験の大きな特徴は、IT技術職以外からの受験が多いことです。令和8年度(4〜6月分)の応募者9,644人を業務別に見ると、「情報処理技術者の業務」の小計2,378人に対し、それ以外の業務が7,266人と3倍以上を占めます。営業・販売(IT関連 427人/非IT関連 356人)、総務・人事(358人)、教育・研修(149人)など、非IT部門からの受験が厚いことが数字に表れています。 企業での使われ方も、IPAが公開する活用事例に表れています。全社員の必須資格として位置づけて受験料を全額負担する例(開発・営業・管理部門を含む全員)、報奨金・奨励金を支給する例(受験費用やテキスト代も全額負担する企業、顧客情報保護のため合格者に奨励金を出す信用金庫)、職種別に推奨する例(システム専門営業職には必須、全営業職には推奨)、患者情報を扱う部門スタッフの意識向上を目的に推奨する医療機関などがあります。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)でも「セキュリティエキスパート(オペレーション)」の職業詳細に本試験が挙げられ、「これらの試験に合格すると企業によっては手当が付く場合もある」と記載されています。 年収については、注意が必要です。情報セキュリティマネジメント試験の合格者に限定した年収統計は、公的・民間ともに信頼できる出典が見つかりませんでした。IPAも合格者の年収を調査・公表していません。参考として、job tagが示す「セキュリティエキスパート(オペレーション)」の平均年収は609.8万円(全国・平均年齢42.2歳、令和7年賃金構造基本統計調査を加工)、求人賃金は月額31.2万円(令和6年度・全国、有効求人倍率2.73)、ITSSレベル1〜2(運用・保守)の年収は420.0万円〜700.0万円(第1四分位〜第3四分位、厚生労働省の2023年度委託調査)です。ただしこれらはいずれも職業や職務レベルの統計であって、資格保有者の年収ではありません。609.8万円はセキュリティ専業者だけを切り出した値ではなく(同サイトでは「運用・管理(IT)」「ヘルプデスク(IT)」にも同じ値が表示されます)、420〜700万円も職務レベル別の幅で、合格するとこの年収になるという関係を示すものではありません。あくまで周辺情報としてご覧ください。

今後の試験制度について

IPAは2026年12月28日以降に試験の休止を予定しています。現行の試験制度は2026年度(令和8年度)の実施をもって終了し、2027年度春頃から新しい試験制度へ移行する予定です。情報セキュリティマネジメント試験については、科目Aの出題範囲体系と科目Bの出題範囲の一部を変更するものの、試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はないとされています。新制度でも全試験区分がCBT方式で実施される予定で、本試験は引き続き通年実施の予定です。受験を計画する際は、IPAの最新の告知をご確認ください。

出題範囲と科目

科目A四肢択一・48問セキュリティ重点分野(技術・管理)ISMSリスクアセスメント標的型攻撃PKI法務重点分野・関連法規個人情報保護法不正アクセス禁止法IT基礎システム・DB・NWRAIDSQLVPNマネジメントPM・SM・システム監査SLA内部統制BCP科目B多肢選択式・12問計画・要求事項情報資産管理とリスク対応情報資産台帳運用・継続的改善インシデント管理・点検デジタルフォレンジックス
120分で科目A 48問・科目B 12問。情報セキュリティ・情報セキュリティ管理・法務が重点分野です。下線つきの用語から解説ページへ移動できます。

情報セキュリティ(科目A・重点分野)

機密性・完全性・可用性をはじめとする基本概念、多層防御脅威の種類、マルウェア脆弱性不正のトライアングル攻撃者の種類と動機を問います。SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング、DoSフィッシングパスワードリスト攻撃標的型攻撃AIを悪用した攻撃といったサイバー攻撃手法も対象です。あわせて暗号技術(共通鍵・公開鍵・AESRSAハッシュ関数)、認証技術(デジタル署名・メッセージ認証・タイムスタンプ)、利用者認証・生体認証、公開鍵基盤(PKIデジタル証明書)が問われます。

情報セキュリティ管理(科目A・重点分野)

情報資産の調査・分類と情報資産台帳、リスクの種類、情報セキュリティリスクアセスメントとリスク対応(リスク基準リスクマトリックス、リスクの回避・共有・保有、残留リスク)を扱います。情報セキュリティ継続、ポリシーを含む組織内の情報セキュリティ諸規程、ISMSJIS Q 27001/27002)と組織的・人的・物理的・技術的の各管理策CSIRT・PSIRT・SOCなどの組織や機関、コンピュータウイルス対策基準やサイバーセキュリティ経営ガイドラインPCI DSSといった各種基準も問われます。

セキュリティ技術評価(科目A)

セキュリティの状態をどう評価するかを問う分野です。CVSS(共通脆弱性評価システム)による脆弱性の評価、脆弱性診断脆弱性検査、ペネトレーションテストが対象になります。

情報セキュリティ対策(科目A)

情報セキュリティ啓発(教育・訓練)や内部不正防止ガイドラインマルウェアランサムウェア対策、不正アクセス対策、情報漏えい対策、アカウント管理・ログ管理脆弱性管理、入退室管理アクセス制御を扱います。IDS/IPS、検疫ネットワーク、携帯端末・クラウド・IoTのセキュリティ、AIを使ったセキュリティ技術とAIそのものを守る技術、FW・WAFDLPSIEMなどのセキュリティ製品、デジタルフォレンジックスも対象です。

セキュリティ実装技術(科目A)

セキュアプロトコル(IPsecSSL/TLSSSHWPA3)を中心に、ネットワーク・データベース・アプリケーションそれぞれのセキュリティを問います。技術的な深掘りはせず、利用部門の立場で必要な範囲に絞られています。

企業と法務/法務(科目A・重点分野)

セキュリティの実務が法令・契約とどうつながるかを問います。知的財産権(著作権法、不正競争防止法)、セキュリティ関連法規(サイバーセキュリティ基本法不正アクセス禁止法、刑法、個人情報保護法、特定個人情報の取扱いガイドライン、情報流通プラットフォーム対処法、特定電子メール法)、労働関連・取引関連法規(労働基準法、外部委託契約、ソフトウェア契約、ライセンス契約、NDA労働者派遣法)、コンプライアンスと技術者倫理、JIS・ISO・IEEEなどの標準化関連が対象です。シラバス Ver.4.1 では「プロバイダ責任制限法」が削除され「情報流通プラットフォーム対処法」が追加されました。

システム構成要素・データベース・ネットワーク(科目A)

IT利活用者として必要な基礎知識を問う分野です。システムの処理形態・利用形態、クライアントサーバやWebシステム、フォールトトレラントシステム、RAIDNASSAN、性能指標・信頼性計算を扱います。データベースはDBMSの種類、データ分析・メタデータSQLなどのデータ操作、排他制御・リカバリ、データウェアハウス・ビッグデータ。ネットワークはWAN/LANや有線/無線の種類、インターネット技術、RADIUS、伝送方式、LAN間接続装置、HTTPIPv6、障害管理、モバイル通信・通信サービスが対象です。

プロジェクトマネジメント・サービスマネジメント・システム監査(科目A)

プロジェクトマネジメントでは統合・ステークホルダ・スコープ・資源・時間・コスト・リスク・品質・調達・コミュニケーションの各マネジメントを扱います。サービスマネジメントSLAサービスマネジメントシステムの計画・運用(インシデント管理問題管理変更管理可用性管理、継続管理ほか)、パフォーマンス評価と改善、サービスの運用、ファシリティマネジメントシステム監査は監査体制と独立性、計画・実施・報告・フォローアップ、情報セキュリティ監査内部統制IT全般統制・IT業務処理統制、CSA)が対象です。

システム戦略・システム企画・企業活動(科目A)

情報システム戦略、業務プロセス(BPR・業務改善)、ソリューションビジネス(SaaS/PaaS/IaaS)、デジタルリテラシーとシステム活用促進を扱います。システム企画では情報システム導入のリスク分析を含むシステム化計画、要件定義、調達計画・実施(RFP、提案評価基準)。企業活動では経営・組織論、リスクマネジメントBCPDX動向、業務分析・データ利活用、会計・財務が問われます。

科目B:情報セキュリティマネジメントの計画、情報セキュリティ要求事項

業務シナリオに沿って、どう判断しどう手を打つかを問う実務寄りの科目です。情報資産管理の計画(情報資産の特定と価値の明確化、管理責任と利用の許容範囲の明確化、情報資産台帳の作成)、情報セキュリティリスクアセスメントとリスク対応(リスクの特定・分析・評価、対応策の検討、対応計画の策定)、情報資産に関する情報セキュリティ要求事項の提示(物理的管理策、部門の情報システムの調達・利用に関する技術的・組織的管理策)、情報セキュリティを継続的に確保するための要求事項の提示が出題されます。

科目B:情報セキュリティマネジメントの運用・継続的改善

情報資産の管理(台帳の維持管理、媒体の管理、利用状況の記録)、部門の情報システム利用時のセキュリティ確保(マルウェアからの保護、バックアップ、ログ取得と監視、情報の転送、脆弱性管理、利用者アクセスの管理、運用状況の点検)、業務の外部委託におけるセキュリティ確保(委託先の調査、委託先の管理の実施、外部委託の終了)を扱います。さらに情報セキュリティインシデントの管理(発見、初動処理、分析と復旧、再発防止策、証拠の収集)、意識向上(教育・訓練、アドバイス、内部不正による情報漏えいの防止)、コンプライアンスの運用、継続的改善(問題点の整理と分析、諸規程の見直し)、動向・事例情報の収集と評価が出題されます。

よくある質問

Q. 情報セキュリティマネジメント試験に受験資格はありますか?

試験要綱 Ver.5.6 およびIPA公式サイトのいずれにも、年齢・学歴・国籍・実務経験による制限を定めた記載は見当たりません。ただし「制限なし」と明言した公式の文言も確認できていないため、申込み前にIPAの最新案内をご確認ください。情報システムの利用部門で情報セキュリティリーダーの役割を果たす人が対象の試験です。

Q. 情報セキュリティマネジメント試験の難易度はどのくらいですか?

共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)のレベル2相当です。ITを利活用する人が主な対象のため、技術的な項目は出題範囲から除外されています。合格率はおおむね69〜73%で安定しており、令和5年度72.6%、令和6年度69.0%、令和7年度70.0%でした。合格基準は総合評価点600点以上/1,000点満点で、IRT(項目応答理論)に基づいて評価点を算出します。

Q. 情報セキュリティマネジメント試験はCBT方式ですか?

はい。試験会場のコンピュータを使うCBT方式で、年間を通じて随時実施されます。120分で科目A 48問・科目B 12問を一つの試験時間内にまとめて実施し、うち評価対象は54問、残り6問は今後出題する問題の評価に使われます。身体の不自由等でCBT方式を受けられない方向けに、筆記(ペーパー)方式の特別措置試験が年2回あります(要・証明書類の申請)。

Q. 情報セキュリティマネジメント試験に合格すると他試験が免除されますか?

免除はありません。他資格の一部免除の対象にはならず、SG合格による高度試験の科目免除もありません(中小企業診断士試験・弁理士試験・技術士試験の一部免除などIPAが挙げる優遇制度は、いずれも応用情報技術者試験以上が条件です)。なお更新は不要で、合格に有効期限はなく、過去の合格が無効になることもないとIPAが明記しています。

Q. 情報セキュリティマネジメント試験は今後なくなるのですか?

IPAは2026年12月28日以降に試験の休止を予定しています。現行の試験制度は2026年度(令和8年度)の実施をもって終了し、2027年度春頃から新しい試験制度へ移行する予定です。科目Aの出題範囲体系と科目Bの出題範囲の一部を変更するものの、試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はないとされており、新制度でも本試験は引き続き通年実施の予定です。受験を計画する際は、IPAの最新の告知をご確認ください。

出典

最終更新:2026-08-13/内容は公式の試験要綱・シラバス等に基づいていますが、受験の際は必ず最新の公式情報をご確認ください。