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ITサービスマネージャ試験とは?

ITサービスマネージャ試験(略号 SM)は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施する情報処理技術者試験の一区分で、「情報処理の促進に関する法律」に基づいて経済産業省が知識・技能の水準を認定する国家試験です。システムの運用・保守、サービスデスク、データセンター運営といったITサービスについて、計画立案・設計・移行・提供・改善を、組織と資源を指揮しながらマネジメントする人材を認定します。情報処理技術者試験のうち「高度試験」9区分の1つで、共通キャリア・スキルフレームワークの最上位であるレベル4に位置づけられます。ISO/IEC 20000(JIS Q 20000)やITILに代表されるITサービスマネジメントの枠組みが知識の土台で、「作る側」ではなく「動かし続ける側」の専門家を対象とする点が他の高度試験との違いです。

合格率の目安約15%前後令和5〜7年度春期(ペーパー方式時代の実績)
受験料7,500円消費税込み
試験時間合計300分科目A-1 50分・A-2 40分・B-1 90分・B-2 120分

試験の位置づけ

難易度が高いレベル4レベル3レベル2レベル1高度試験(9区分)・情報処理安全確保支援士この試験応用情報技術者試験(AP)基本情報技術者試験(FE)情報セキュリティマネジメント(SG)ITパスポート(IP)
IPAの共通キャリア・スキルフレームワークに基づくレベル区分。ITサービスマネージャ試験はレベル4に位置づけられています。

試験の実施概要

運営団体・区分独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験。情報処理技術者試験の高度試験9区分の1つで、共通キャリア・スキルフレームワークの人材像「サービスマネージャ」のレベル4(最上位)に相当します
試験方式CBT方式(令和8年度=2026年度から適用。受験者が試験日時・会場を自分で選びます)。令和7年度まではペーパー方式でした。論述式(小論文)もCBTで実施され、画面に入力して解答します。身体の不自由等でCBT方式による受験ができない方には、筆記による特別措置試験が実施される予定です
実施時期前期のみの年1回(令和7年度までは春期)。後期には実施されません。科目A群(科目A-1・科目A-2)と科目B群(科目B-1・科目B-2)は別日に実施されます。令和8年度は科目A-1・A-2が2026年10月17日〜10月27日、科目B-1・B-2が2026年11月11日〜11月23日の実施予定です
試験時間・問題数科目A-1(共通知識):50分・多肢選択式(四肢択一)30問(解答30問)/科目A-2(専門知識):40分・多肢選択式(四肢択一)25問(解答25問)/科目B-1:90分・記述式3問出題(2問選択)/科目B-2:120分・論述式(小論文)2問出題(1問選択)。合計300分(5時間)です。科目A-1と科目A-2の間、科目B-1と科目B-2の間には最長10分の休憩が入ります
合格基準科目A-1・科目A-2・科目B-1はいずれも100点満点中60点以上、科目B-2は評価ランクA(合格水準にある)で、すべてを満たしたとき合格です。採点は素点方式。多段階選抜方式のため、科目A-1・科目A-2が基準点に達しない場合は科目B-1・科目B-2が採点されず、科目B-1が基準点に達しない場合は科目B-2が採点されずに不合格となります。試験の水準維持のため基準点が変更されることがあります
受験料7,500円(消費税込み)
受験資格年齢・学歴・実務経験による制限は設けられていません。ただし「制限はありません」と明記した公式の一文は今回の調査では確認できておらず、試験要綱に受験資格の規定が存在しないことからの判断です
申込方法インターネット申込みのみ。申込みは前期・後期それぞれ1回のみで、同一期に複数の試験区分・複数回の申込みはできません。令和8年度前期の申込受付期間は2026年10月6日〜10月24日です
合格率の目安約15%前後(令和5〜7年度春期。令和5年度15.2%、令和6年度15.0%、令和7年度14.7%)。合格者数は3年連続でほぼ300人ちょうどで安定しています。ただしこれはペーパー方式・春期時代の実績です

取得するとどうなるか

試験要綱は、ITサービスマネージャに期待される役割として、①サービスマネジメントシステムの計画・運用・評価・改善を行う、②サービス運用チームのリーダーとして安全性と信頼性の高いサービスを顧客に提供する、③新規サービスやサービス変更について変更を管理し、サービスの設計・構築・移行を行う、④顧客関係を管理して顧客満足を維持し、提供するサービスを顧客と合意してサービスの改善を行う、⑤顧客の設備要件に合致したハードウェア・ソフトウェアの導入、カスタマイズ、保守・修理を実施し、データセンター施設のファシリティマネジメントを行う、の5つを挙げています。これらを主導的に果たすとともに、下位者を指導することが期待されます。対応する「期待する技術水準」には、要員・供給者・資源・予算の管理、事業関係管理・サービスレベル管理、データセンター施設の安全管理まで含まれており、技術だけでなく契約・カネ・人・建物までを見る役割として定義されているのが特徴です。 ITサービスマネージャ試験に独占業務はなく、名称独占もありません。この資格が無いとできない業務は定められておらず、IPAのFAQで名称独占が明記されているのは情報処理安全確保支援士だけです。つまり「合格したことを示せる」以上の法的効果は無い、能力認定型の国家試験です。 更新制はなく、合格に有効期限もありません。IPAは「試験合格の有効期限もなく、過去の試験合格が無効となることもございません」としており、更新講習・登録手数料・年会費のたぐいは一切不要です(3年ごとの更新制である情報処理安全確保支援士とは、この点が決定的に違います)。試験制度が変わっても過去の合格は無効になりません。なお、経済産業大臣が発行する合格証書は再発行できません(IPAによる有料の合格証明書は発行可能です)。 IPAが公式に挙げている優遇措置は次のとおりです。①いずれの高度試験・情報処理安全確保支援士試験でも、科目A-1試験が合格後2年間免除されます。②弁理士試験の論文式筆記試験の選択科目「理工Ⅴ(情報)」が免除されます。③技術士試験の第一次試験の専門科目(情報工学部門)が免除されます。④ITコーディネータ試験の「専門スキルコース」(試験科目が一部免除される)を受験できます。⑤国家公務員採用(選考採用・特定任期付職員)で応募資格とされていることがあります。⑥警察庁・警視庁の採用で応募資格の対象になっています。⑦厚生労働省のものづくりマイスターの認定基準の一つになっています。 なお、中小企業診断士試験の第1次試験の科目免除については、IPAの記載が「応用情報技術者試験または一部の高度試験合格者」となっており、ITサービスマネージャ試験が対象に含まれるかは今回の調査では確認できていません。

役立つ職種・年収の目安

評価される職種としては、ITサービスマネージャ/運用管理責任者、システム運用・保守のチームリーダー、SRE・インフラ運用、サービスデスク/ヘルプデスクの管理者、インシデント管理・問題管理の担当、変更管理・リリース管理の担当、SLA(サービスレベル合意書)の設計・運用担当、MSP(マネージドサービスプロバイダ)の提供責任者、データセンターのファシリティマネジメント担当、社内情報システム部門の運用部門長などが挙げられます。 力を発揮する場面は、ISO/IEC 20000(JIS Q 20000)やITILに沿った運用体制を作る・監査に対応する、顧客とSLAを結び直す、可用性・容量能力・サービス継続を設計する、システム障害後の再発防止と継続的改善をまわす、といった局面です。試験制度上も、合格すると他の高度試験の科目A-1試験がその後2年間免除されるため、システム監査技術者やプロジェクトマネージャなど他の高度区分への足がかりになります。 年収については、「ITサービスマネージャ試験の合格者の平均年収」を示す公的統計はありません。IPAも合格者の年収は公表していません。以下は近接する職業の公的統計であり、資格保有者の年収そのものではない点にご注意ください。 厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の職業「運用・管理(IT)」は、平均年収609.8万円・平均年齢42.2歳・労働時間160時間/月・就業者数207,400人・有効求人倍率2.73倍・求人賃金31.2万円/月とされています(賃金データは令和7年賃金構造基本統計調査を加工したもの)。このページの「関連する資格」にはITサービスマネージャが明記されています(他に応用情報技術者、基本情報技術者、ITパスポート、CCNA、ITILファンデーション、LPIC)。同サイトが示すITSSスキルレベル別の給与水準では、本試験が相当するレベル4は510.0〜800.0万円です(参考:レベル1〜2は420.0〜700.0万円、レベル3は450.0〜700.0万円、レベル5以上は667.5〜1,086.0万円)。まとめると目安はおよそ510〜800万円の幅ですが、これは職業・スキルレベルの統計であって、資格を取ればこの金額になるという意味ではありません。 資格手当や合格者の年収については、統計的な裏づけのある信頼できる出典が見つかりませんでした(民間の転職サイトの自社調べしか見当たらないため採用していません)。

今後の試験制度について

ITサービスマネージャ試験は、令和8年度(2026年度)にペーパー方式からCBT方式へ移行し、大きく変わりました。実施時期は「春期(4月)の年1回」から「前期」(2026年10〜11月の実施)になり、科目名も「午前Ⅰ/午前Ⅱ/午後Ⅰ/午後Ⅱ」から「科目A-1/科目A-2/科目B-1/科目B-2」に変更されています。免除制度の呼び名も「午前Ⅰ免除」から「科目A-1試験免除」になりました。一方で、出題形式(多肢選択式・記述式・論述式)・出題数・試験時間、および問う知識・技能の範囲に変更はないとIPAが明言しているため、過去問の形式はそのまま通用します。ただし論述式(科目B-2)もCBTで実施されるため、従来は手書きだった小論文を画面に入力して解答することになります。 さらに重要な点として、IPAは現行の試験制度について「なお、現行試験制度については、2026年度の試験実施をもって終了する予定です」と明記しています。2027年度(令和9年度)からの新試験制度では、現在の応用情報技術者試験と高度試験を大括り化したうえで内容を再編し、「マネジメント領域」「データ・AI領域」「システム領域」の三つの試験区分からなる「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」が設けられます。ITサービスマネージャ試験を含む高度試験9区分と応用情報技術者試験は、この3区分へ再編される対象です。あわせて「データマネジメント試験(仮称)」が新設され、ITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験、情報処理安全確保支援士試験はそれぞれ内容を見直したうえで継続します。新制度の開始時期は、ITパスポート・情報セキュリティマネジメント・基本情報技術者が2027年度春頃、新設試験と支援士試験が2027年度夏〜秋の予定です。 ただし、これは2026年3月31日時点でIPAが公表した「検討状況」であり、同ページには「公表内容は現時点での検討状況であり、今後、変更が生じる場合があります」と明記されています。確定事項ではありません。また、ITサービスマネージャ試験の受験者・合格者が新制度の3領域のどれに対応するのか、経過措置や科目免除の引き継ぎがどうなるのかは、今回の調査では確認できていません。最新情報は必ずIPAの公表資料でご確認ください。 なお、令和8年度前期試験の合格発表時期は、2026年8月13日時点では未公表です。

合格率の推移から読み取れること

直近3年度(令和5〜7年度春期)の合格率は15.2%・15.0%・14.7%と、おおむね15%前後で安定しています。合格者数も294人・300人・295人と、3年連続でほぼ300人ちょうどです。 応募者数は2,886人・2,879人・2,898人と約2,900人で横ばいで、高度試験9区分の中で最も応募者が少ない区分の一つです(同じ令和7年度春期で、応用情報技術者58,206人・情報処理安全確保支援士22,645人・ネットワークスペシャリスト17,297人に対し、ITサービスマネージャは2,898人)。特徴的なのは受験率で、毎年67〜70%にとどまり、申し込んだ人の約3割は実際には受験していません。 合格者の平均年齢は40〜42歳(令和5年度41.1歳、令和6年度41.5歳、令和7年度40.0歳)で、受験者の平均年齢42.9歳より合格者のほうが若いという傾向が見られます。実務経験を積んだ層が受ける試験であることが数字にも表れています。 これらはいずれもペーパー方式・春期時代の実績で、令和7年度がペーパー方式・春期で実施された最後の年度でした。令和8年度からはCBT方式の「前期」となり集計の枠組みが変わるため、今後も同じ水準が続くかは分かりません。

出題範囲と科目

科目A-1共通知識・レベル3テクノロジ系基礎理論〜開発技術RAID正規化稼働率MTBFマネジメント/ストラテジシステム戦略・法務ほかSaaS内部統制個人情報保護法科目A-2専門知識・9中分類サービスマネジメント重点分野・この試験の中核SLAサービスレベル管理問題管理CMDBプロジェクトマネジメント重点分野・PMと2区分のみWBSEVMクリティカルパスセキュリティ重点分野・レベル4ISMSアクセス管理ログ管理リスクアセスメント技術基盤・監査/法務レベル3の出題範囲負荷分散ホットスタンバイSQL科目B記述式・論述式サービスマネジメント要求事項・SMS・リスク管理サービスマネジメントシステムITILサービスカタログサービスポートフォリオ計画及び運用関係・合意/設計・移行事業関係管理供給者管理需要管理容量・能力管理評価及び改善監視・測定/内部監査マネジメントレビュー内部監査是正処置イベント管理運用・ファシリティ運用オペレーション・設備サービスデスクジョブスケジューリングバックアップ無停電電源装置
科目A-1は高度試験の共通問題、科目A-2は9中分類に絞られ、サービスマネジメント・プロジェクトマネジメント・セキュリティが重点分野。科目Bは記述式と論述式です。下線つきの用語から解説ページへ移動できます。

科目A-1(共通知識)

高度試験・情報処理安全確保支援士試験に共通の科目で、全区分で同一の問題が出ます。応用情報技術者試験の科目A(午前)と同じ水準・範囲(技術レベル3)で、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の全分野から広く出題されます。ITサービスマネージャ固有の内容ではなく、IT全般の基礎知識のふるい落としとして機能します。応用情報技術者試験や他の高度試験・支援士試験に合格していれば、2年間免除されます。

科目A-2:サービスマネジメント(重点分野・レベル4)

この試験の中核となる分野です。サービスの要求事項、SLA、サービスライフサイクル、インシデント管理・問題管理変更管理・リリース管理、可用性・容量能力・サービス継続、サービスデスクなどを、レベル4(専門家水準)の深さで問われます。科目A-2の出題範囲は9つの中分類だけに絞られており、その筆頭がこの分野です。

科目A-2:プロジェクトマネジメント(重点分野・レベル4)

新規サービスの立ち上げやサービス変更を「プロジェクト」として動かすため、プロジェクトマネージャ試験と並ぶ重点分野・レベル4で問われます。中分類「プロジェクトマネジメント」が科目A-2の出題範囲に入っている高度試験は、プロジェクトマネージャ試験とITサービスマネージャ試験の2区分だけで(他の7区分は範囲外)、この試験の大きな特徴になっています。

科目A-2:セキュリティ(重点分野・レベル4)

情報セキュリティ管理アクセス管理、ログ管理、インシデント対応などが問われます。日常運用がそのままセキュリティ対策の実行面になるため、レベル4の重点分野に位置づけられています。中分類「セキュリティ」は情報処理技術者試験の全13区分で重点分野に指定されていますが、高度試験ではいずれもレベル4です(応用情報技術者・科目A-1・プロジェクトマネージャはレベル3)。

科目A-2:コンピュータ構成要素/システム構成要素/データベース/ネットワーク(レベル3)

運用の対象となる技術基盤についての知識です。テクノロジ系のこの4つの中分類が、レベル3の範囲として出題されます。サービスを動かし続けるうえで土台となる領域で、専門家水準(レベル4)までは求められないものの、範囲には確実に含まれます。

科目A-2:システム監査/法務(レベル3)

運用の証跡・内部統制、契約や委託、個人情報保護など、サービス提供に伴う統制・法的な論点が問われます。システム監査はマネジメント系、法務はストラテジ系の中分類で、いずれもレベル3です。顧客や供給者との関係を管理する立場である以上、避けて通れない領域です。

科目B:サービスマネジメントに関すること

サービスの要求事項、サービスマネジメントシステム、リスク管理などを扱い、「何をもってサービスとするか」「誰の要求を満たすのか」という土台を問います。シラバスでは、JIS Q 20000の規格群(ISO/IEC 20000シリーズ)、ITILSLA、そしてIoT・ビッグデータ・AI(生成AIを含む)・RPAクラウドコンピューティングなどのIT技術動向が、要求される知識として挙げられています。

科目B:サービスマネジメントシステムの計画及び運用に関すること

出題範囲5大項目のうち最も広く、この試験の主戦場にあたる領域です。サービスマネジメントシステムの計画と支援(文書化した情報、知識ほか)、運用の計画及び管理、サービスポートフォリオ(サービスの提供、サービスの計画、サービスライフサイクルに関与する関係者の管理、サービスカタログ管理、資産管理、構成管理)、関係及び合意(事業関係管理、サービスレベル管理、供給者管理)、供給及び需要(サービスの予算業務及び会計業務需要管理容量・能力管理)、サービスの設計・構築・移行(変更管理サービスの設計及び移行リリース及び展開管理)、解決及び実現(インシデント管理、サービス要求管理、問題管理)、サービス保証(サービス可用性管理、サービス継続管理、情報セキュリティ管理)を含みます。シラバスでもこの大項目だけで9つの小項目に細分化されています。

科目B:パフォーマンス評価及び改善に関すること

パフォーマンス評価(監視・測定・分析・評価、内部監査マネジメントレビュー、サービスの報告)と、改善(不適合及び是正処置、継続的改善)を扱います。「回した結果をどう測り、どう直すか」という、PDCAの後半にあたる部分が問われます。

科目B:サービスの運用に関すること

システム運用管理(運用管理、障害管理、障害時運用方式ほか)、運用オペレーション(システムの監視と操作、稼働状況管理、ジョブスケジューリング、バックアップほか)、サービスデスクを扱います。マネジメントの枠組みではなく、現場の運用そのものを問う領域です。

科目B:ファシリティマネジメントに関すること

ハードウェア・ソフトウェアの基礎テクノロジ、システム保守管理、データセンター施設のファシリティマネジメント、設備管理を扱います。建物・電源・空調まで含めた物理的な基盤を対象とする、他の高度試験にはほぼ無いITサービスマネージャ固有の領域です。

科目B-2で問われる「書く力」

科目B-2は論述式(小論文)で、配点ではなく評価ランクA〜Dで判定され、Aだけが合格水準です。評価の視点は、設問で要求した項目の充足度、論述の具体性、内容の妥当性、論理の一貫性、見識に基づく主張、洞察力・行動力、独創性・先見性、表現力・文章作成能力などとされています。受験時に示される「解答に当たっての指示」に従わない場合は、論述の内容にかかわらず評価を下げられることがあります。シラバスも小項目ごとに「要求される技能」を書き分けており、リスク管理・リスクアセスメントを行う能力、利害関係者のニーズや期待を把握するコミュニケーション能力、チームをリードして目的を遂行するリーダーシップ、プロジェクトマネジメントに関する能力といった「人を動かす側の能力」が並びます。

よくある質問

Q. ITサービスマネージャ試験に受験資格はありますか?

年齢・学歴・実務経験による制限は設けられていません。ただし「制限はありません」と明記した公式の一文は確認できておらず、試験要綱に受験資格の規定が存在しないことからの判断です。受験料は7,500円(消費税込み)で、申込みはインターネット申込みのみ。前期・後期それぞれ1回のみで、同一期に複数の試験区分・複数回の申込みはできません。

Q. ITサービスマネージャ試験の難易度はどのくらいですか?

情報処理技術者試験の高度試験9区分の1つで、共通キャリア・スキルフレームワークの最上位であるレベル4に位置づけられます。合格率は約15%前後(令和5年度15.2%、令和6年度15.0%、令和7年度14.7%)で、合格者数は3年連続でほぼ300人ちょうどです。応募者は約2,900人と高度試験のなかでも少ない部類で、合格者の平均年齢は40〜42歳。実務経験を積んだ層が受ける試験であることが数字にも表れています。なお、これらはペーパー方式・春期時代の実績です。

Q. ITサービスマネージャ試験はCBT方式ですか?

はい。令和8年度(2026年度)からCBT方式になり、受験者が試験日時・会場を自分で選びます。実施は「前期」のみの年1回で、科目A群と科目B群は別日に行われます。論述式(科目B-2)もCBTで実施され、従来は手書きだった小論文を画面に入力して解答します。出題形式・出題数・試験時間と、問う知識・技能の範囲に変更はないとIPAが明言しています。身体の不自由等でCBT方式による受験ができない方には、筆記による特別措置試験が実施される予定です。

Q. ITサービスマネージャ試験の合格に有効期限はありますか?

ありません。更新制はなく、IPAは「試験合格の有効期限もなく、過去の試験合格が無効となることもございません」としています。更新講習・登録手数料・年会費のたぐいも一切不要です。合格すると、いずれの高度試験・情報処理安全確保支援士試験でも科目A-1試験が合格後2年間免除されるほか、弁理士試験の選択科目「理工Ⅴ(情報)」、技術士試験の第一次試験の専門科目(情報工学部門)が免除されます。

Q. ITサービスマネージャ試験はいつまで実施されますか?

IPAは現行の試験制度について「現行試験制度については、2026年度の試験実施をもって終了する予定です」と明記しています。2027年度からは、応用情報技術者試験と高度試験を大括り化して「マネジメント領域」「データ・AI領域」「システム領域」の3区分からなるプロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)が設けられ、ITサービスマネージャ試験も再編の対象です。ただしこれは2026年3月31日時点の「検討状況」で、確定事項ではありません。

出典

最終更新:2026-08-13/内容は公式の試験要綱・シラバス等に基づいていますが、受験の際は必ず最新の公式情報をご確認ください。